地下鉄のラッピング広告大苦戦 「停車中しか効果ない」

2009年1月5日16時43分 朝日新聞

 全国各地の公営地下鉄が、電車の車体を使った「ラッピング広告」のスポンサー確保に苦戦している。始まった当初は物珍しさから強烈な印象を振りまいた。しかし、駅での到着・出発の短時間しか広告効果がないことなどから、募集しても応募がない自治体もある。

 名古屋市交通局は01年12月に市営地下鉄の名城線で初めてラッピング車両を2編成走らせた。この時の広告主は大手の清涼飲料メーカー。その後、別の広告も確保できて運行数は順調に伸びた。ピークは05年の愛知万博期間中。万博が開幕した直後の同年3月末時点では、三越名古屋栄店の専門館「ラシック」や中京テレビなど8編成が運行された。

 しかし、万博が終わると徐々に減り、昨年3月末時点になると3編成に落ち込んだ。現在は、化粧品販売会社のセプテムプロダクツ(名古屋市)が東山線に1編成を走らせているだけだ。

 同じラッピング車両でも、市バスの広告は順調で、01年夏の開始以来、90台前後で推移している。街の中を走る路線バスは利用者以外にもアピールできる。だが、名古屋市交通局の担当者によると、地下鉄は「駅のホームでしか見られず、駅と駅の間では広告効果がない」。広告費以外にも、ラッピングの張り付けや撤去にかかる約1300万円はすべて広告主の負担になる。

 05年10~12月に名城線と東山線で走らせていたNTTドコモは、地下鉄でのラッピング広告をしなくなった理由について「ほかの広告媒体も検討しながら、費用対効果で考えた」と話す。

 東京都営地下鉄では05年度、大江戸線に3編成が運行されていたが、今年度は1編成にとどまった。1カ月当たり150万円だった広告料を昨年度から100万円に値下げしたが、効果はないという。福岡市営地下鉄は昨年6月から募集を始めたが、運行数は現在はゼロだ。
 札幌市営地下鉄は、02年8月~03年4月に、地元百貨店のラッピング車両が走ったが、今は全く運行されていない。一方、ススキノなど繁華街を走る市電は募集している17両すべてが埋まり、空き待ちの状態。札幌市交通局の担当者は「今も地下鉄のラッピング広告は募集しているが、市電のようにはいかない」と話す。

 神戸市営地下鉄では、00年12月~02年8月に1編成だけラッピング車両の広告主がついたことがある。だが、車両全体を広告で覆う「フルラッピング」では設置や撤去に費用がかかるため、ドアの両横だけを埋める「部分ラッピング」の募集を昨年3月から始めた。しかし、申し込みはないという。(小山裕一)
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by deracine69 | 2009-01-05 16:43 | 社会  

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