オブジェか建築か、奇抜な超高層ビルで学生の成績も向上

1月5日23時41分配信 読売新聞

f0013182_1201313.jpg 東京・新宿駅前で、昨年10月に完成した専門学校の新校舎「モード学園コクーンタワー」が異彩を放っている。

 高さ203メートル、若い才能を育む繭(コクーン)をイメージした形という。なぜ、こんな奇抜な超高層ビルが出現した? 

 建築主のモード学園は、1966年に始まるデザイナーなどの養成校。新校舎の設計案を競わせる国際コンペで、「四角い建物ではないものを」と注文した。

 谷まさる学長(72)は「効率を真っ先に考えると、周囲と同じ建物になる。面白い案が集まりましたよ。女性の上半身の形をしたビルもあったが、さすがに教育機関には……」と笑う。

 建築家や建設会社など約50社、150件を超す提案を勝ち抜いたのは丹下都市建築設計。上下をすぼめ、壁に絹糸のような模様を張って、学生たちを包む繭をイメージした。エレベーターなどを収めた中心の柱に、教室を重ねた巨大な構造体を取り付けている。

 目を奪うダイナミックな外観と構造。その陰に建設技術の進歩もあった。建築家が自由にイメージした形態も、今日ではコンピューターを駆使した構造設計や施工技術によって可能に。今や未来都市のような建築が国内外で相次いでいる。

 丹下憲孝社長(50)は4年前死去した世界的な建築家、丹下健三氏の長男。「ユニークさだけではなく、狭い敷地に超高層を建てる学校建築のあり方を提案した」と語る。例えば敷地の制約で造るのが難しい校庭に代えて、各階に3層の吹き抜けを造り、学生が立体的に交流できる空間を設けた。

 新校舎は東京モード学園などが入り、今春からは約1万人が学ぶ予定だ。すでに入居した同学園では「学生も先生も明るくなった」と谷学長。

 昨年3月、名古屋駅前に完成したらせん状の超高層校舎「モード学園スパイラルタワーズ」(設計・日建設計)でも、学生の成績が上がったそうだ。狙い通り、斬新な建築に刺激されたのか--。

 建築主の思い、建築家の独創性、それを支える技術力で生まれたタワー。「まるでオブジェ」と冷ややかな建築家もいるが、今も街行く人が物珍しげに見上げ、外国人観光客がカメラを向ける。丹下社長も「すでに建設段階で、海外からの仕事のお話が数多くありました」。反響の大きさも、型破りのスケールらしい。(文化部 高野清見)
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by deracine69 | 2009-01-05 23:41 | 社会  

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