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若麒麟に退職金…相撲協会の処分「甘すぎる」

2月2日15時33分配信 読売新聞

 協会が出した結論は「解雇」だった。

 大麻事件で逮捕された若麒麟真一(本名・鈴川真一)容疑者(25)に対し、日本相撲協会の理事会は2日、解雇処分を決めた。理事会決議としては最も重い処分だが、退職金を支給しない「除名」という選択肢は見送られたことで、識者からは「甘すぎる」との指摘も出ている。

 理事会が開かれた東京・両国国技館には、約50人の報道陣が詰めかけた。同日正午前から開かれた記者会見には、武蔵川理事長と協会広報部長の九重親方が出席。フラッシュがたかれる中、冒頭、武蔵川理事長が顔を紅潮させながら、「多くのファンに心配、ご迷惑をおかけし、心からおわびします」と謝罪し、深々と頭を下げた。九重親方は終始無言で、厳しい表情のままだった。

 武蔵川理事長によると、処分は「議論はあったが、満場一致の結論」。今後、協会改革を進めていくにあたっては、外部の意見を取り入れることや、薬物検査も回数を増やすなど、徹底する考えを示した。

 報道陣から、「(若麒麟容疑者を)除名にすべきという意見はなかったのか」と問われると、武蔵川理事長は「除名を求める声もあったが、若麒麟はまだ若く、第2の人生もある。除名はかわいそうだということで、解雇に決まった」と苦渋の表情を浮かべた。会見は5分ほどで終わった。

 また、元警視総監で、外部から監事に就任した吉野準氏は「出席者の半分くらいは除名という意見が出たが、最終的に全会一致で解雇とした」と説明した。

 会見に先立ち、理事会から退席した師匠の尾車親方は、待ちかまえていた報道陣に「処分は言われましたが、私からは言えないので、会見で」とだけ言い残して立ち去った。

 日本相撲協会の再発防止検討委員会委員を務める漫画家のやくみつるさんは「(退職金を払わなくていい)除名でないことに合点がいかない。ロシア人力士の時にも『何をやっているんだ』という声が上がっていたのに、なぜ同じ愚を繰り返すのか。除名に必要な手続きの手間を惜しんだとしか思えない」と解雇処分に疑問を呈した。その上で、「こうした犯罪行為だけでなく、品格の問題なども同時進行で律していかなくてはいけないのに、今回の問題で他の問題が棚に上げられてしまった感があり、残念だ」と話した。

 ノンフィクション作家の長田渚左さんは「当然の処分。ただ最近、不祥事が立て続けに起き、関係者を処分しているのに、全く次につながっていない。たがが緩みきっている。相撲界は根本的な改革を本気でやらないと、衰退の一途をたどってしまう」と指摘。さらに「一連の不祥事の根はすべて同じで、新弟子よりも親方の再教育が必要だ。相撲をしばらくやめて、内部で徹底的に話し合い、自分たちの根っこを見つめ直すべきだ」と語った。

 相撲ファンの反応も様々だ。国技館近くにいた三重県桑名市の主婦藤崎千鶴子さん(57)は「ロシア人力士の時も解雇処分だったので、今回だけ除名になると不公平。処分は納得出来るが、大好きな相撲でこういう不祥事が続くと、ファンとして悲しいので、個々の力士が『国技を担っている』という誇りを持ってほしい」。茨城県石岡市の男性会社員(62)は「我々サラリーマンが不祥事を起こした時は、退職金も出ずに首になる。それに比べると甘いのではないか」と憤っていた。

by deracine69 | 2009-02-02 15:33 | 社会  

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