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旧郵政ずさん入札…実態ない会社・不参加業者に「売却」

3月3日14時46分配信 読売新聞

 旧日本郵政公社が一括売却した施設が相次ぎ転売されていた問題を巡り、入札で他社と争った企業の代表者が入札に参加したことさえ知らなかったり、活動実態のない会社が落札グループに含まれたりしていたことがわかった。

 落札業者は「不動産の一括売却ではよくあること」というが、公的資産の売却としては不透明さがつきまとう。日本郵政の売却リストに、実際の売却先とは異なる企業が記入されるなど、少なくとも39か所に誤りがあることも判明。資産管理の在り方そのものが問われている。

 「名義貸しだけなので、入札についてはわからない」

 不動産投資を目的とする有限会社「駿河ホールディングス」(東京都港区)の取締役だった男性は、読売新聞の取材にそう答えた。

 同社は2007年2月、旧公社の178施設が一括売却された一般競争入札に参加。入札調書によると、マンション販売会社「コスモスイニシア」(千代田区)が率いる企業グループとの争いとなったが、2回目の入札で辞退している。

 登記簿や関係者によると、駿河社は04年10月に設立され、昨年5月に解散。入札当時の代表だった男性は、都内の投資会社に依頼されて取締役に就任しただけで、郵政物件の入札には一切かかわっていないという。投資会社は、駿河社の不動産管理を行っていることは認めたが、出資関係など詳細は「答えられない」という。

 鳥取県岩美町と鹿児島県指宿市の「かんぽの宿」をそれぞれ評価額1万円で購入し、転売していた不動産会社「レッドスロープ」(中央区)も、不動産投資を目的にする会社だ。

 登記簿などによると、同社は、06年2月に186件の一括売却が行われた入札の半月前に設立。現在の所在地となっている東京・銀座のビル入り口には表札が掲げられているが、会社は無人で鍵がかかったまま。同じビルに入居するIT関連会社の会社員(34)は、「出入りする社員も見たことがないし、明かりがついている様子もなかった」と話す。

 レッド社の社長は、親会社の不動産会社「リーテック」(千代田区)の役員も兼ねる。同社も、05年と07年の一括売却で計36件の郵政物件を購入しているが、担当者は「実態がないと言われるが、不動産業界ではよくあること。なぜ子会社を設立し、入札に参加したかは答えられない」としている。

 一方、04年から昨年にかけて売却した計634物件の売却先や売却額(評価額)などが記載された日本郵政の売却リストは、民主党の要求に基づき作成された。

 06年2月の一括売却のうち37件の売却先は、いずれもリーテックと記されているが、同社はそもそもこの時の入札に参加していない。実際は、リー社が出資した二つの子会社(いずれも中央区)が単独や、別の企業と共同で購入していた。日本郵政の担当者が登記簿を確認しなかった初歩的なミスが原因とみられる。別の2施設の売却金額にも誤りが見つかった。

 旧富士銀行出身で明大の高木勝教授の話「入札に実態がない会社を参加させた時点で、公的財産の処分に欠かせない透明性が失われた。一覧表の間違いも、資産管理がでたらめと批判されて当然。ずさんな印象を国民に与えてしまった」(谷合俊史、阿部真司)

by deracine69 | 2009-03-03 14:46 | 政治  

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