“おくれびと”イチロー、不調も記者に「髪型ダサい」

3月2日17時0分配信 夕刊フジ

 イチローはもう打てない…。WBC日本代表のマリナーズ・イチロー外野手(35)は本番前最後の実戦を終え、6戦通算打率.130のどん底状態で5日の第1ラウンド開幕戦(対中国、東京ドーム)を迎えることになった。さすがの天才打者も「(開幕前に調子を)6-7割に持っていきたかったが、できなかった。時間は待ってくれない」と白旗宣言。イチロー一人見たさに連日押し寄せるファンも、イチロー中心のチームづくりをしてしまった首脳陣も、今さらそんな殺生な、と言いたい所だが…。



【調子6-7割届かず白旗宣言】

 火でもついたかのように、東京ドーム内全体がまばゆくきらめく。フラッシュの数は尋常でない。イチローが打席に入るたび、打つ瞬間にこれが繰り返されるのだ。ただし、イチローのあまりの打てなさっぷりに、最後はついにブーイングも漏れていた。

 「フラッシュ? ああ、やってるやってると思う程度。実際の(打撃に)障害にはなっていないです。目に入ってくると厄介ですが、それはない。まぁ、こんな機会しかないんで、もっとやっていただきたいとは思いますけど」

 豪州戦2試合、巨人戦3試合、西武戦1試合、計6試合の実戦で、通算23打数3安打(打率.130)。誰よりも高い打率を期待される男が、誰よりも低い打率のまま本番を迎える。「練習試合とはいえ、これだけのお客さんがチケットを買って来られている。いいプレーを見せられないのはストレス」。イチローもそう頭を下げないワケにはいかない状況だ。

 2006年の第1回WBCでは、本番でさえ空席が目立ったのに、今回は強化試合にもかかわらず連日満員で、1日の巨人戦の観客は4万2822人。その大半が、前回世界一に輝いた実績を信じ、そのチームの中心を担ったイチロー見たさに集まっていることを、本人が一番よくわかっている。

 ただし、この時期の大不振が、イチローにとって全くの想定外だったかといえば、そんなことはない。「毎年のことですね、僕の場合は」と漏らしたのが本音だろう。なにしろ、昨年のオープン戦中には26打席無安打があり、シーズンイン後も出足の3、4月の27試合は.259の低打率。むしろ、春先に打てないのはいつものこと、それが何か?と開き直りたいところだろう。

 取り囲む報道陣から「(イチロー・フィーバーに)周囲を巻き込んでいる心境は?」との質問が飛ぶと思わず、「巻き込んでいる? 巻き込まれてんだよ、俺が」と語気を強めた。だが、好きこのんでフィーバーの中心に祭り上げられたワケではないとは、たとえ本心であっても口にはできない環境だ。

 篠塚打撃コーチは「開幕までのあと3日間が大事。オープン戦絶好調だった選手がこういった空白の期間に不振に陥ることがあるし、その逆もある。イチローの場合はもう(調子が)上がるしかないから」と前向きに語った。

 しかし、イチロー本人が「6、7割まで持っていけなかった。もう練習の時間しか残されていないですから、この状態で(本番も)いく。肩の力を抜いてというより、思い切り力んでいきたい」と悲壮感さえ漂わせ始めた。第1ラウンドに限っていえば、もうイチローを当てにしすぎない方がいいのではないか。

【憎まれ口も…】

 第1ラウンドで戦う4カ国中2カ国が第2ラウンドに進出できる。宿敵・韓国はともかく、辞退者続出ではっきり戦力の落ちている台湾、野球新興国・中国には、仮にイチロー抜きでも、あるいは全く打たなくても、楽勝してしかるべき。

 イチローは前回WBCでも、最初の1次リーグ3試合(東京ドーム)は、打率.231とサッパリだった。前回同様、米国へ舞台を移しての第2ラウンド以降に爆発を期待する方が理にかなっている。

 周囲の期待が異様に高く、自分の状態がそれに追いつかないイチローは、針のムシロに座っている心境のはず。イチローは会見の最後、最近散髪した記者を指さし、「ダサいね、その髪型」の憎まれ口も。イチローがそんなジョークも口にできないほど、これ以上追い込まれないことを祈りたい…。
[PR]

by deracine69 | 2009-03-02 17:00 | スポーツ  

<< 「人工衛星」でも迎撃=防衛相 水たまらぬダム…想定以上の浸透... >>