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<北朝鮮妨害電波>短波放送に…元工作員の批判に対抗?

 拉致被害者の支援や救出を目的に「特定失踪(しっそう)者問題調査会」が運営する短波放送「しおかぜ」に対して、北朝鮮側から妨害電波が発信されている。日本政府は、今月から妨害電波が始まったことを確認している。関係者の間では、北朝鮮の元工作員の体制批判発言を流し始めたことに刺激を受けたとの見方が強まっている。



 しおかぜは、昨年10月から放送を開始した。会の依頼を受けたロンドンの放送配信会社が北朝鮮の近隣国の施設から毎日計1時間半、決まった時間に周波数5.89メガヘルツで流している。

 ◇3カ所から発信か

 当初、拉致被害者や特定失踪者らの名前、生年月日などを日本語で読み上げていたが、今年1月から被害者家族が「元気で帰ってくると神様にお願いしています」など本人に直接訴える内容が加わった。4月からは拉致問題の動きなどを伝えるとともに元工作員の安明進(アンミョンジン)氏が定期的に出演して、朝鮮語で北朝鮮の人民らに決起を促している。

 調査会や政府によると、初めて妨害電波が確認されたのは今月5日ごろ。飛行機内で聞こえるような「ゴー」という音のほかに「ブヨブヨ」という雑音と「ピー」という高音が重なっている。東アジアの電波事情に詳しい民間組織「アジア放送研究会」の山下透理事長(45)は、3種類の音が同時に確認されていることから「妨害電波は北朝鮮国内の3カ所から発信されている」とみる。

 北朝鮮の体制を批判する放送としては、米政府系の「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)や「自由アジア放送」(RFA)、北朝鮮の元将校で韓国在住の脱北者が代表を務める「自由北朝鮮放送」があるが、これらに対しても妨害電波が発信されているという。しおかぜへの妨害電波の一つは、これらの放送で確認された妨害電波の音の特徴と一致していたという。

 同調査会の荒木和博代表(49)は「放送が少なくとも北朝鮮の人に届き、当局が気にし始めていることが分かった。放送が有意義なことの証明でもあり、周波数を複数にしたり、電波の出力を上げたりして続けたい」と話す。【工藤哲】

(毎日新聞) - 5月13日16時47分更新

by deracine69 | 2006-05-13 16:47 | アジア・大洋州  

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