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【タイ】株長者番付、タクシン前首相一族が急落

12月13日8時0分配信 NNA

 金融専門誌「マネー&バンキング」がまとめた2006年の株長者番付は、番付上位の常連だったタクシン前首相一族が中核企業の保有株を売却したことで、順位が大きく入れ替わった。住宅開発最大手ランド&ハウス(LH)のオーナー社長アナン・アサワポーキン氏が3年ぶりに首位に返り咲いた一方、2年連続で1位だった前首相長女のピントンター氏は77位に下がった。前首相一族は、一族別順位も大きく下げた。

 前首相一族は、今年初めに一族の持ち株会社シン・コーポレーション(SHIN)の全保有株(14億8,774万株、発行済み株式の49.595%)をシンガポール政府系企業に売却したため、番付上位500から軒並み姿を消した。売却額は733億バーツで、タイのM&A(企業の合併・買収)史上最高額だった。この巨額取引が非課税だったことから、反タクシン運動に火が付いた。
 
 04年と昨年にトップだったピントンター氏は、保有株の時価総額が8億3,400万バーツ(昨年比96%減)で77位。昨年45位だった二女ぺートンターン氏は7億8,100万バーツで86位だった。両氏は現在、不動産開発のSCアセット株のみを保有している。
 
 2位だった義兄のバンナポット・ダマポン氏、4位だった長男パントンテー氏、397位だった夫人のポチャマン氏はランク外になった。
 
 ■上位は不動産関連
 
 今年の番付1位のアナン氏は、LH(保有比率21.46%)のほか、マンダリン・ホテル(MANRIN)(同1.67%)などの株式を保有。時価総額は131億4,000万バーツ(昨年比11.83%減)だった。同氏の番付は02年と03年がトップ、04年と昨年が3位だった。
 
 2位は住宅開発大手プルックサー(Preuksa)・リアル・エステート(PS)の株式62.55%を保有するオーナー社長、トンマー・ウィッチットポンパン氏が88億4,800万バーツでランク外から急浮上した。同社は昨年12月、タイ証券取引所(SET)に上場した。
 
 3位は前首相と親しいプラユット・マハーキッシリ氏が51億6,500万バーツ(61.68%増)で、昨年の10位から浮上。保有株は、冷延ステンレス鋼生産タイノックス・ステンレス(INOX)(24.2%)、包装材大手タイ・フィルム・インダストリー(TFI)(38.67%)、各種産業向け部品・工作機械製造・販売のサハミット・マシナリー(SMIT)(1.28%)、包装材タイOPP(TOPP)(2.51%)。同氏は、未公開の大企業ネスレ(タイランド)のオーナーでもある。
 
 4位はゼネコン(総合建設会社)大手イタリアンタイ・デベロップメント(ITD)のプレムチャイ・カーンスート社長(47億3,000万バーツ)。5位は複合映画館(シネマコンプレックス)チェーン最大手メジャー・シネプレックス・グループ(MAJOR)のウィチャー・プーンウォララック会長(43億4,400万バーツ)。
 
 ■一族別でも後退
 
 一族別のトップは、民間テレビ放送局のチャンネル3を運営するBECワールド(BEC)のオーナーのマリーノン家(194億2,500万バーツ、15.08%増)。2位は流通大手セントラル・グループのチラティワット家(159億9,400万バーツ、6.11%増)。3位はアサワポーキン家、4位はウィッチットポンパン家、5位はマハーキッシリ家だった。
 
 04年と昨年に首位だった前首相のチナワット家(17億バーツ、94.87%減)は39位だった。
 
 株長者番付は、「マネー&バンキング」が毎年、チュラロンコン大学と共同でSET上場企業の株主を対象に行う調査結果をまとめたもの。9月30日時点の株価から算出されている。今回の調査結果は同誌12月号に掲載される。

by deracine69 | 2006-12-13 08:00 | アジア・大洋州  

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