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ソマリアの首都、イスラム勢力去り再び街に音楽

2007年01月04日00時14分 朝日新聞

 エチオピア軍の支援を受けたソマリア暫定政府がイスラム勢力「イスラム法廷連合」(UIC)から奪回した首都モガディシオに3日、入った。UICによるイスラム法支配下で禁止されていた音楽や映画が解禁になり、街は活気づいていた。ただ、治安維持を理由に首都周辺に展開したエチオピア軍に対する市民の反感は根強く、UICの帰還を望む声も聞かれた。

 3日に運航を再開した国連機で、首都から約50キロの空港に着いた。首都に向かう車には「暫定政府の警官」と名乗る2人が自動小銃を持って同乗。道中でもエチオピア軍のトラックとすれちがう。かつてソマリアと何度も戦った「敵国」エチオピアに反感を抱く住民が多いことを配慮して「1500人のエチオピア軍部隊は首都郊外に駐留している」(地元記者)という。

 首都中心部のイスラム法廷の一つは閉鎖され、看板も撤去されていた。UICの執行部が入居していた建物は空き家になり、一部では略奪も起きたという。

 06年6月に首都を掌握したUICが禁止したカーット(覚せい作用のある葉)の販売も解禁されていた。道路わきの小さな店を数日前に再び開いたカディーチョ・アハメドさん(42)は「商売ができるのはうれしいが、エチオピア軍は出ていってほしい」と話した。

 組織力の弱い暫定政府は、治安維持でエチオピア軍に全面的に頼っている。警察も機能していない。これに対し、半年の統治で首都の治安を回復したUICを支持する市民は少なくないという。UICは、首都での戦闘で犠牲者を出したくないという市民の要請を受けて首都から撤退したとされる。

 91年から続く無政府状態の中、モガディシオで仕事を続けてきた実業家の男性は「今回は、暫定政府にとって最後のチャンス。国家再建に失敗すれば、市民はUICを首都に呼び戻すことになるかもしれない」と話した。

by deracine69 | 2007-01-04 00:14 | アフリカ  

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