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影響「あるある」 温泉、黒豆…番組登場の県内業者

2007/01/26 神戸新聞

 捏造問題が発覚した情報番組「発掘!あるある大事典2」。「健康にいい」などと画面に映された商品や施設はたちまち人気となり、テレビの影響力を見せつけた。兵庫県内にも紹介された施設があるほか、「ダイエット効果がある」と取り上げられた食品の製造業者には注文が殺到した。しかし番組は捏造問題で打ち切りに。関係者らは「うちの評判まで落ちないか」と複雑な表情を見せる。

 三木市吉川町の「吉川温泉よかたん」。昨年十二月の「あるある」で、「炭酸含有量が多く健康に良い温泉」と紹介された。放送の約一週間前からホームページで番組を告知した。

 放送後は番組内容を掲載し、通常の二倍を上回る一日八百-九百人が詰めかけた。だが捏造の発覚で「よかたん」の印象が悪くなるのを懸念、ホームページから「あるある」のくだりを削除した。運営する吉川まちづくり公社の中井達実社長(58)は「事実に基づく姿勢を貫いてほしかった」と残念がった。

 また「ダイエット効果がある」として、二〇〇五年に寒天、〇四年には黒豆も脚光を浴びた。猪名川町で寒天をつくる「井谷寒天製作所」の井谷恭一さん(64)は「あれ以来、原料のテングサの仕入れ値が二割は上がったまま」。篠山市の「黒豆の館」も「放送後一カ月は販売量が約五倍に跳ね上がった」と反響の大きさに驚く。

 納豆は約十年前も、抗菌効果があるとして、にわかに人気が出た。納豆をつくる相沢食産(福崎町)の相沢勝也社長(47)は「今回も注文が増えたのはうれしかったが、番組で紹介された納豆の効果にはほんまかいな、と思った」と話した。

 流通業界も「あるある」などの情報番組に注目する。コープこうべ(神戸市)は、特定の食品を紹介する情報番組について「仕入れ担当者はもちろんチェックする。来週の予告を見て準備することもある」。あるスーパーの関係者も「テレビ番組がどんな食品を取り上げるかという情報は、業界内では事前に流れているようだ」と明かす。

 昨年、「また『あるある』にダマされた」を出版した化学メーカー研究員の鷺一雄さん(41)は「以前から、何かを食べたらやせるなどと言って、怪しいデータを使っていた。『あるある』に限らず、多くの情報番組は制作者やスポンサーの何らかの意図が働いているもの。視聴者は、内容をうのみにしないことが大切だ」と警告している。

苦情1万件を突破

 情報番組「発掘!あるある大事典2」で納豆のダイエット効果を紹介する実験データが捏造されていた問題で、関西テレビは25日、同社や系列局に寄せられた苦情などが1万800件を超えたと発表した。不祥事の謝罪会見が開かれた20日から25日夕までの集計分。関西テレビ広報部によると、同社に25日寄せられた電話は計188件で、うち苦情は123件。「処分が甘すぎる」などの意見が目立つという。

by deracine69 | 2007-01-26 12:00 | ジャーナリズム  

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