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ゴーン神話に陰り…就任初の減益「危機的」認める

国内外で新車投入の空白期間 コミットメント裏目

トップ就任後初の減益が確実となり、正念場を迎えた日産自動車のカルロス・ゴーン社長
 「現在は危機的状況にある」。業績に急ブレーキがかかり、「失敗」を認めた日産自動車のカルロス・ゴーン社長。「V字回復のカリスマ」として、日本の経済界のみならず、21世紀の世界的リーダーとしての手腕が称賛されてきたゴーン氏だが、普通の経営者になってしまったのか。

 【業績より市場の信頼低下】

 ゴーン氏は2日午後の決算発表とは別に、同日夜、パリのルノー本社から一部報道陣に対し、テレビ会議システムによる記者会見を開いた。

 日産はこれまで、2007年3月期で7期連続の最高益を更新すると強気の予想をしていたが、一転して大幅下方修正。ゴーン体制となった2000年3月期以来、初の減益になる。

 減益になったとはいえ、営業利益は7750億円見込みと、依然として日本企業では屈指の稼ぎではある。“ゴーン神話崩壊”の本質は、業績悪化そのものよりも市場の信頼を裏切ったことにある。

 【「失敗から教訓を…」強気影潜め】

 ゴーン氏の評価を高めたのは、収益計画を必ず達成してきたことで、「コミットメント」(経営責任を伴う必達目標)という言葉は流行語になった。

 ソニーの社外取締役を務めていた当時、楽観的な経営目標を掲げる経営陣にゴーン氏が「それはコミットメントか?」と問いつめたことも話題となった。

 しかし、今回はこのコミットメントが裏目に出た。ゴーン氏が掲げた高い目標を達成するために、新車を集中的に投入した反動で、主要市場の北米で15カ月、国内でも11カ月も新車投入の空白期間が生じた。これが販売不振を招いたといわれている。

 日産の厳しい状況は販売台数からも明らかだったが、ゴーン氏は昨年10月の中間決算の時点では、下期に業績を好転させると強気を崩さなかった。わずか3カ月後の下方修正に、市場の不信感を招きそうだ。

 トヨタはハイブリッドなど低燃費車で業績好調だが、ゴーン氏は当初、ハイブリッド車に積極的でなかったといわれることも出遅れにつながったとの指摘もある。

 ゴーン氏は4月に業績回復に向けた施策を打ち出す方針を明らかにしたが、「失敗から教訓を学ばねばいけない」「(今後の計画策定は)慎重にやる」と強気のゴーン節は影を潜めた。

 日産を倒産の危機から救ったゴーン氏だが、今度は業績を再加速させるという課題を抱える。ゴーン氏の真価が問われることになりそうだ。

ZAKZAK 2007/02/05

by deracine69 | 2007-02-05 12:00 | 経済・企業  

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