参院選後の政界再編視野 清和会VS経世会 浮かび上がる怨念の構図 

7月19日8時0分配信 産経新聞

 参院選の投開票日(29日)まで残り10日間となり、自民党の安倍晋三首相(総裁)と、民主党の小沢一郎代表の政権をかけた戦いの色が濃くなりつつある。そんな中で浮かび上がるのが、故福田赳夫元首相が創設した旧清和会(清和政策研究会、町村派)と、故田中角栄元首相の流れをくむ旧経世会(平成研究会、津島派)の40年近い「怨念(おんねん)の構図」だ。ジワジワ現実味を帯びてきた参院選後の政界再編も、実態は「政党の衣をかぶった派閥抗争」と言えなくもない。

 旧経世会の末裔(まつえい)である小沢氏に対し、敵意むき出しなのは小泉純一郎前首相だ。

 「小沢さんは、田中派の全盛時代に主流派で力を振るった人だ。鳩山由紀夫幹事長も同じだ。それが野党の党首として自民党を追及しているんだから何が何だか分からない」(6月26日、横須賀市)

 「小沢さんはかつて主流派にいたとき、私は反主流派だったが、小沢さんらの方が『自民党はダメだ』と出ていったんじゃないか」(7月7日、京都市)

 福田赳夫氏に長く師事した小泉氏の旧経世会への怨念は根深い。平成3年には、経世会打倒を狙って加藤紘一元幹事長、山崎拓元副総裁と「YKK」を結成。首相就任時のスローガン「自民党をぶっ壊す」も実は「経世会をぶっ壊す」がホンネだったといわれる。

 森喜朗元首相も小沢批判の急先鋒(せんぽう)の一人。17日も盛岡市で「小沢さんは改革の名の下で自民党を出て、新党を作っては壊し、作っては壊し…。小沢氏の言う政界再編なんて今までやってきたことを繰り返すだけだ。改革なんてできない」と吐き捨てた。

 昭和45年の角福戦争以来続く経世会と清和会の怨念は根深い。経世会が権勢を振るい、旧清和会が辛酸をなめる構図が長く続いたが、平成12年に森氏が首相就任以後は立場が逆転。旧清和会は、小泉、安倍と3代続けて首相を輩出し、国会議員88人(首相、幹事長を除く)を擁する自民党最大派閥となった。一方の津島派は81人の大所帯だが、現職閣僚はゼロでかつての勢いはない。

 ところが、年金問題で民主党が勢いを持つと様相が一変した。小沢氏は「14年前に1度失敗したので、今回こそは何としても成功させたい」(1日、党首討論)と政界再編に強い意欲を表明。参院選で与党が過半数割れしても政権交代は不可能だが、「小沢氏は参院選を機に自民党内の反主流派に手を突っ込み、政権を奪取する腹だ。狙いは清和会包囲網にある」(閣僚経験者)との見方が強い。小泉氏が活動を活発化させたのも、この動きを察知したからだとされる。

 自民党内にも清和会への反発はあるだけに、参院選で自民党が敗北すれば、このシミュレーションは現実味を増す。カギを握るのは、かつて旧経世会とともに主流派の一角を占めてきた故池田勇人元首相の流れをくむ旧宏池会系(古賀派など)の存在だ。

 現在は古賀、谷垣、麻生の3派に分裂し、麻生太郎外相、丹羽雄哉総務会長らが安倍首相と盟友関係を結ぶ一方、古賀誠元幹事長と谷垣禎一前財務相は政権に距離を置く。かつて宏池会を率いた加藤氏も水面下で民主党議員と頻繁に接触するなど、旧宏池会が旧経世会と旧清和会両派の間で揺れ動く構図も変わっておらず、参院選後の政界再編を視野に入れた動きを続ける。

 一方、民主党内にも、反小沢勢力が少なくなく、小沢氏の思惑通りに政界再編が進むかどうかは微妙だ。自民党も中選挙区時代の派閥抗争を知らない議員が多数派となっており、「親分同士の権力闘争につきあうのはまっぴら」(自民若手)という冷ややかな声も上がる。
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by deracine69 | 2007-07-19 08:00 | 政治  

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