「大阪の活性化」影潜め 地元選挙区 国政に争点しぼる

7月23日15時51分配信 産経新聞

 9人が立候補している参院選大阪選挙区(改選数3)で、これまでの参院選で多くの候補者が掲げていた「大阪の活性化」が影を潜めている。与野党ともに全国的な問題となっている年金を争点として前面に押し出し、地元の課題を取り上げる陣営が少ないためだが、一部の陣営や識者の中には、「参議院は国の課題を審議すべきだ」とする意見がある一方、統一地方選と重なったため、地方の課題が避けられているとの見方もある。

 大阪はバブル経済崩壊後、本社を東京に移す企業が相次ぐなど“地盤沈下”が叫ばれて久しい。このため、国政選挙でも地元の景気回復や企業支援を打ち出す候補者が多かった。候補者が公約や政策を示す選挙公報によると、平成16年の前回参院選では7人の候補者中4人、11人が立候補した13年の選挙でも6人が大阪の活性化や街づくりに触れた。

 しかし今回の選挙公報では、候補者9人のうち、大阪の課題について公約などを記したのは自民、公明、無所属の3人のみ。返り咲きを目指す共産元職は過去の選挙公報で大阪の活性化や景気回復を掲げたが、医療費や最低賃金など国政の課題にしぼった。陣営では「大阪を良くするためには、まずは国の病根にメスを入れる必要がある」と説明する。

 13年、16年の選挙で大阪の課題を取り上げた民主。今回は新人候補で、年金改革や格差是正などを掲げるが、街頭演説でも地元の課題は口にはしないという。党府連幹部は「過去には『なぜ大阪の課題に触れないのか』との声もあったが、本来国政のことを掲げるのが国会議員候補者。年金や住民税など、より身近なことが争点になっているためではないか」とみる。

 また今回は統一地方選で、地元の課題がかなり争点にされた反動の可能性もあると分析する。

 これに対し、3選をねらう自民現職は毎回の選挙公報に「大阪の活性化」を記した。陣営の担当者は「地方の声を国会に届けるのも国会議員の仕事。それでなければ大阪選挙区から出る意味がない」とし今回は、大阪の市町村合併を進めることを公約に掲げている。

 また地元活性化を選挙のたびに記した公明現職の陣営も「大阪をどうするかが有権者の判断材料になる」と指摘する。

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 マニフェストに詳しい横浜国立大大学院の小池治教授(行政学)の話 「全国の比例代表と都道府県単位で選ばれる参院議員は、地方ブロックの比例代表と小選挙区から選ばれる衆議院議員と違い、国全体の視点から審議することに意味があり、地域的なことを訴えるのはふさわしくない。たとえば東京一極集中を是正する意味で大阪の活性化を掲げるのはいいが、インフラ整備など地域への利益誘導はすべきではない」
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by deracine69 | 2007-07-23 15:51 | 政治  

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