自民、民主批判に躍起 政策攻撃、選挙後に布石

2007/7/25 07:06 北海道新聞

 参院選終盤に入り、苦戦が続く自民党は民主党をなりふり構わず批判するネガティブキャンペーンに躍起になっている。党幹部らの街頭演説では、民主党の年金や農業政策に対し「実現性がない」と大合唱。与党が過半数割れした場合でも、安倍晋三首相の引責辞任はないと「予防線」を張りだした。

 「改革と成長の路線を止めて喜ぶのは第一に民主党、恐らく二番目は北朝鮮。安倍内閣を止めるということは、(北朝鮮に)誤ったメッセージを送ることになる」。塩崎恭久官房長官は二十二日、地元愛媛県内での街頭演説でこう強調し、民主党と北朝鮮に同時に矛先を向けながら、自民党劣勢の状況に危機感をあらわにした。

 中川昭一政調会長は、民主党の年金制度改革案や農家への戸別所得補償制度を批判する政策資料を作成し、各候補らに配布。資料には「荒唐無稽(むけい)な民主党農政」など厳しい言葉が並ぶ。

 中川秀直幹事長も二十三日、栃木県内での街頭演説で「民主党のバラマキ政策では、必要な予算も確保できない。家計にたとえれば生活破たん一直線だ」と訴えた。

 投開票日が迫っても与党への逆風をはね返す策が見当たらず、当初は年金記録不備問題への対策を訴えていた党幹部も、民主党批判に時間を割くようになった。

 一方、塩崎氏と中川政調会長は二十四日、「参院選は政権選択選挙ではない」との考えを示し、勝敗にかかわらず、首相退陣の必要はないとの考えを表明。二十三日には小泉純一郎前首相、渡辺喜美行政改革担当相も同様の認識を示した。首相は「全選挙区で勝ち抜く決意」と強気を貫くが、党内では「敗戦処理」がちらつき始めているようだ。



退陣無用の大合唱 敗北前提?閣僚ら予防線
2007年7月25日 中日新聞

 参院選で与党が敗北しても、安倍晋三首相は退陣する必要はない-。こんな発言が閣僚や自民党執行部から相次いでいる。与党が参院で過半数を大きく割った場合でも、首相の退陣論が広がらないよう予防線を張っておく狙いからだが、選挙戦の最中に敗北を想定した発言は、有権者に弱気と受け取られ、逆効果になる可能性もある。 (渡辺隆治)

 「参院選は政権選択の選挙ではない」

 塩崎恭久官房長官は二十四日の記者会見で、参院選で敗北しても、首相の退陣は必要ないとの考えを強調した。

 こうした発言は、二十三日から二十四日にかけて、自民党の中川昭一政調会長や渡辺喜美行政改革担当相、小泉純一郎前首相からも相次いだ。

 自民党内では「橋本龍太郎首相は四十四議席で引責辞任した」「四十議席を割れば、政権は持たない」などの意見がくすぶっているが、首相自身は進退決断の目安となる責任ラインを明らかにしていない。

 本紙をはじめ、報道各社は先週末から週明けにかけて、参院選の情勢分析を発表。ほとんどが、与党が目標とする過半数維持は困難と分析するとともに、自民党内の意見を踏まえて、首相退陣に発展する可能性があると報じた。

 塩崎氏らがこの時点で首相退陣の可能性を否定したのは、「負ければ首相退陣」との空気がじわじわと広がれば、選挙後に退陣論が一気に噴出するかもしれないとの危機感からだ。

 一方、敗北を前提にした発言の悪影響を懸念する意見もある。

 報道各社が与党の苦戦を報じた影響について、自民党内では(1)「逆バネ」が効き、盛り返す(2)雪崩現象が起き、さらに状況が悪化する-との二通りの見方が出ている。

 幹部らが弱気になっていると有権者が判断すれば、勝ち馬に乗りたいという心理がはたらき、与党から票が逃げることも予想される。

 さらに、民主党の小沢一郎代表は、与党を過半数割れに追い込めなければ、次期衆院選に出馬せず、政界を引退する意向をすでに表明している。

 塩崎氏らが首相退陣の可能性を否定すればするほど、退路を断った小沢氏の「潔さ」ばかりを際立たせ、安倍氏が首相の座に恋々としているかのような印象を与えかねない。

◆予防線の動きに公明代表不快感

 公明党の太田昭宏代表は二十四日、塩崎恭久官房長官らが参院選は政権選択選挙でないとの観点から敗北時の安倍晋三首相退陣を否定していることについて「まったくそういう意識はないし、意識を持つべきではない。今は与党過半数(獲得)に集中すべきだ」と述べ、与党敗北を前提に予防線を張る動きに不快感を示した。千葉県印旛村で記者団に語った。

 同時に「選挙戦(の結果)は非常に重要で、わが党ではわたしに責任があるし、各党幹部に責任がある。各党の責任ある立場の人がそれぞれ考えることだ」と強調。

 渡辺喜美行革担当相が今秋の衆院解散の可能性に言及したことに関しても「(早期解散は)やるべきでない。参院選結果を真摯(しんし)に受け止め、政治をしっかり遂行して、しかるべき時に衆院で審判を仰ぐのが国民への真摯な態度だ」と批判した。

「安倍続投」発言続々…政府・与党の予防線か
2007年7月25日10時26分 読売新聞

 参院選終盤の24日、政府・自民党から「参院選は政権選択の選挙ではない」といった発言が相次いだ。選挙結果にかかわらず、安倍首相は続投すべきだとの擁護論だ。

 与党の苦戦や低迷が伝えられる中、安倍首相の責任を問う声が党内から出る前に、「予防線」を張ったとの見方が強い。野党は「責任逃れ」と反発を強めている。

 塩崎官房長官は24日の記者会見で、「参院選は基本的に政権選択の選挙ではないと位置づけられてきた。今回も同じだ。(参院選の結果で退陣した内閣が過去にあったが)それはその時の政権の判断だ」と述べ、仮に与党が参院で過半数割れし、大敗しても、首相の退陣はないとの考えを示した。

 自民党の中川政調会長も同日、都内の日本外国特派員協会での講演で、「参院選は首相指名選挙に絡む国政選挙ではない。首相が辞める、辞めないというのは別の次元だ」と述べた。

 自民党内では、12日の参院選公示前には、「誰が見ても大きな敗北ということになれば、安倍さんの退陣も考えざるを得ない」(舛添要一参院政審会長)などの責任論も聞かれた。

 だが、最近、与党に厳しい結果を予測する報道各社の情勢調査が相次ぎ、自民党幹部や閣僚らは、党内の「安倍おろし」の動きを事前に抑え込む必要があると判断した。

 政府筋は24日、「自民党内から首相の責任を問う声が出始めるのはよくない。塩崎氏らは党内向けに言っている」と指摘した。

 ただ、安倍首相自らが「私と(民主党代表の)小沢さんのどちらが首相にふさわしいか」と訴えてきただけに、「今更、『政権選択ではない』と言っても、逃げ口上にしか聞こえない」との声は与党内からも上がっている。自民党選対関係者は、「『敗れれば大変だ』と危機感を訴え、最後の追い込みをかけている時に、官房長官らの発言は逆効果になりかねない」と懸念する。公明党の太田代表も24日、「今は与党で過半数を取ることに集中すべきだ」と記者団に語り、不快感をにじませた。

 一方、民主党の鳩山幹事長は24日、「首相官邸が『負けても自分たちは責任を取らない』と言うような発言は、非常に聞きにくい。(参院選が)安倍政権の信任選挙であることは間違いない」と記者団に語り、厳しく批判した。

参院選の位置づけに関する最近の政府・自民党幹部の発言安倍首相 実績と政策を支持してもらうための選挙だ。私と小沢さんのどちらにふさわしいかということについても国民の考えを聞く選挙だ(7月1日、東京都内のホテルでの党首討論で)
中川・自民党幹事長 基本的に参院選は政権の中間評価の選挙だから、(首相の)退陣なんてことはありえない(6月24日、テレビ朝日の番組で)
麻生外相 参院選は政権選挙とは全然関係ない。衆院の選挙ではないから。今あたかも参院選が政権選択の衆院選のようにあおられているが、本来は全く違う(7月12日、神戸市内の街頭演説で)
小泉前首相 「安倍さん辞めろ」なんて声があるが、とんでもないことだ。(私が)1年か2年で辞めていたら(実績を残すことができず)きょうこんなところにこれない(7月23日、鹿児島市内での演説で)
塩崎官房長官 参院選は基本的に政権選択の選挙ではないと位置づけられてきた。今回も同じだ(7月24日、記者会見で)
中川・自民党政調会長 (参院選は)首相指名選挙にからむ国政選挙ではないから、安倍首相が辞める辞めないというのは別の次元だ(7月24日、日本外国特派員協会の講演で)

安倍首相側近ら、参院選後の退陣を相次ぎ否定
2007/07/25 08:05 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

f0013182_12271425.jpg 「参院選で負けても退陣しない」

 今月29日に投票が行われる参議院議員選で、与党自民党が敗北したとしても、安倍晋三首相が退陣する必要はないという側近らの発言が相次いでいる。

 安倍首相の側近中の側近である塩崎恭久官房長官は24日、「参院選は政権を選ぶ選挙ではない」として、選挙結果が良くなかったとしても安倍首相が退陣する必要はないという認識を示した。また、自民党の中川秀直幹事長も「(今回の選挙は)首相の指名とは関係ない。退陣はあり得ない」と主張した。

 各種の世論調査の結果、今回の参院選で自民党が惨敗し、参議院で少数与党に転落する可能性が高いと見られている中で、安倍政権の中心人物らがこうした発言を繰り返すのは、参院選の結果を受けて安倍首相の責任論が浮上するのを防ぐ意図があるものと考えられる。

 安倍内閣の支持率が「年金問題」やさまざまなスキャンダルによって20%台に落ち込むや、自民党内では選挙前から敗北を前提とした「首相責任論」が取り沙汰されている。

 1998年の参院選では、自民党は改選議席の過半数を大きく下回る44議席を獲得するにとどまり、当時の橋本龍太郎首相が責任を取って退陣している。

 だが、橋本首相が退陣し小渕恵三内閣が発足した当時と現在とでは、状況が違うという指摘も出ている。安倍首相が退陣したとしても、党内に「ポスト安倍」にふさわしい人物がいない上、後継者選びで大きな力を発揮する「キングメーカー」が今の自民党にはいないためだ。

東京=鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)特派員

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by deracine69 | 2007-07-25 07:06 | 政治  

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