<参院選>責任論引っ込め続投に強い意欲 安倍首相

7月25日20時39分配信 毎日新聞

 参院選で劣勢が伝えられる与党で、敗北しても安倍晋三首相(自民党総裁)の続投を支持する意見が続出するなか、首相自身の遊説にも政権維持への強い意欲をうかがわせる変化が生じている。首相は一貫して勝敗ラインは明示していないが、公示前に言及していた「総裁の責任」論が影をひそめる分、逆風を戦い抜き、選挙後も国政を担当する「決意」を前面に打ち出してきた。

 首相発言は、各報道機関の世論調査で与党の苦境が報じられた先週後半ごろから変わり始めた。

 19日の鹿児島県霧島市の演説で、首相は同市出身の元大関・霧島が引退後に半生をつづった著書「踏まれた麦は強くなる」を紹介しながら、「踏まれた麦は強くなる。私も厳しい逆風の中だが、正々堂々と政策を訴え、戦い抜く覚悟だ」と強調。さらに「たくさんの皆さんにお集まりいただき、厳しい状況なだけに本当にうれしい。国民の意見に真しに耳を傾け、今後の政策に反映させていかなければならない。決意を新たにした」と続投への意欲も表明した。

 以後、「決意を新たにした」は毎回のように演説の前半で語られ、25日の北陸3県の遊説でも首相は「国民の切実な声に耳を傾けながら今後の政策に反映をさせていかなければいけない決意を新たにしている」(福井県)と力説した。首相周辺は、首相の今の心境について「自民党の獲得議席が30議席台でも退陣しない」と解説する。

 もともと首相は、今回の参院選を「政権選択」選挙と位置づけていると受け取れる発言を繰り返してきた。1月4日の年頭記者会見で「私の内閣として憲法改正を目指していきたいということは、当然、参院選でも訴えていきたい」と述べ、憲法改正を参院選の争点に掲げた。首相の意識は、自民党の中川秀直幹事長が「参院選は政権の中間評価の選挙」(6月24日のテレビ朝日の番組)と語ったのとは程遠いものがある。

 7月1日には首相は「参院選で、私と小沢さんとどっちが首相にふさわしいかも国民の考えをうかがうことになる」(21世紀臨調主催の党首討論)と踏み込んだ。だが本来、憲法改正などを問う「正攻法」で戦いたかったという首相の思いは、年金記録漏れ問題や相次ぐ閣僚の不祥事の前に空回り気味だ。12日のNHK番組では、小沢氏と「どっちが首相にふさわしいか」から「どちらが本当のことを言っているか」と言い換えた。首相は政権選択選挙のような意気込みを示しながら、そうかと問われれば、進退に直結するだけに明言を避けざるを得ないという、ジレンマに陥った。

 ついに塩崎恭久官房長官が24日の会見で「参院選は政権選択の選挙ではない」と発言。塩崎長官は同日の街頭演説で「政権を選ぶ選挙の時には、両方がこの国をどうするかをはっきり出してないといけない。『安倍自民党』になって国をどうするかというビジョンも方法論も出しているが、彼ら(民主党)は対処療法だ」と首相の悔しさを代弁しているようだった。
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by deracine69 | 2007-07-25 20:39 | 政治  

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