参院選 一夜明け 惨敗でも鎮座 首相、民意は?

2007年7月30日 東京新聞

 「往生際が悪い」-。自民党が改選議席を大きく下回る三十七議席にとどまり、大敗を喫した二十九日の参院選。「国民の審判」は明確に下されたはずだ。しかし、安倍晋三首相は続投の意思を表明。投開票から一夜明けた三十日朝、首都圏の有権者からは「『しょうがない』ではすまされない」などと退陣を求める怒りの声が渦巻いた。一方で、「ほかに代わる人がいないから」とあきらめ顔の人も…。 

 「年金」が動かした参院選。東京都板橋区の板橋社会保険事務所には、三十日朝も年金相談に訪れる人々の姿が。

 「何年も投票に行ったことがなかったが今回ばかりは行った」と埼玉県新座市の江良正光さん(60)。「一生懸命働いてきたのに先行きどうなるのか…。安倍首相がやってる限りはダメだと思う」

 板橋区で年金生活をする男性(75)も「閣僚の失言は許してもいいが、年金をいいかげんに扱ってきたことは『しょうがない』では済まされない。国を信頼していたのに、政治家も官僚も何十年も怠けていた」と、怒りを一票に託した。早々と政権「続投」の意向を表明した安倍首相を、男性は「往生際が悪い」とバッサリ。

 長年、自民党を支持してきたという求職活動中の同区の南部武さん(61)は「安倍首相にリーダーシップは期待できないが、かといってほかに政権を任せられる人もいない」とため息をつく。

 一方、選挙戦で安倍首相が第一声を放ったJR秋葉原駅前。

 東京都多摩市の大学生の男性(20)は東京選挙区で自民党の候補が落選したことに触れ「民意を反映した結果。安倍首相はもっと国民の意見に耳を傾けるべきだ」と手厳しい。

 「与党に厳しい予測がマスコミに出ていたので、結果はある程度予想していた。でも、ここまで差が開くとは…」と話すのは東京都大田区の大学生の男性(22)。「今後はいたずらに強行採決するのではなく、与野党で政策を戦わせてほしい」と語った。

 同区の男沢梨紗さん(20)は「最近の候補者はタレント候補ばかり。不愉快なので投票所では白票を投じました」。首相の続投については「簡単に辞めてもらっては困る。最高権力者らしく、しっかり政策で責任を果たすのが筋」と述べた。

激戦初当選 『朝刊見て実感』

 自民党の片山虎之助参院幹事長を破った民主党の姫井由美子氏(48)と、参院の“ドン”青木幹雄自民党参院議員会長の地元で議席を奪取した国民新党の亀井亜紀子氏(42)は、劇的初当選から一夜明けた三十日午前、それぞれ演説や記者会見。喜びをかみしめながら政治への意気込みを語った。

 姫井氏は岡山市内で早速、街頭演説。自らの当選を「今の政治では幸せになれないと国民が勇気をもって決断した結果。歴史的な一日になった」と振り返った。

 これに先だって市内の自宅前で記者団に対し「大物を破った実感はまだない。それよりも期待に応えるという重い責任がある」と決意を新たにしていた。

 一方、島根選挙区の亀井氏は松江市内の国民新党事務所で会見。「朝刊の写真を見て、勝利の実感がわいた」と元気に話した。今後の政治活動では「世界遺産になった石見銀山を訪れる人に日本文化を紹介したい」とのアイデアを披露。

 惨敗にもかかわらず続投を表明した安倍晋三首相に話題が及ぶと「(首相は)国民感情に鈍感な人だ」と切り捨て国会論戦に向け意欲満々だった。
安倍晋三: 往生際の悪さも過去最悪-惨敗でも権力に鎮座
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by deracine69 | 2007-07-30 17:00 | 政治  

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