「新・郵政族のドン」片山氏落選で通信・放送業界に波紋

2007年07月30日22時05分 朝日新聞

f0013182_2524248.jpg 「新・郵政族のドン」と呼ばれるほどの影響力をもつ片山虎之助・自民党参院幹事長が参院選(岡山選挙区)で落選し、通信・放送業界に波紋が広がっている。NHK改革などで業界への厳しい姿勢を続けてきた竹中前総務相、菅総務相の路線に対抗するため、片山氏が頼みの調整役だったからだ。自民党内に「後継者」が見当たらず、業界内には「民主党にも働きかけよう」という声が出始めている。

 片山氏は初代総務相として業界への影響力を強め、自民党内で通信・放送産業高度化小委員長として仕切り役を務めてきた。「片山さんに代わる人物が自民党内にいない」(民放キー局幹部)、「『重し』を失ってしまった」(電話会社幹部)。業界関係者はショックを隠せない。

 通常国会で継続審議となった放送法改正案の提出前、菅総務相はNHKの受信料義務化について「受信料2割値下げとセット」との方針を打ち出した。NHKは「とても取り得ない」(橋本元一会長)と抵抗。これを調停したのが片山氏だ。橋本会長を国会の一室に呼び出して調整。菅総務相は結局、改正案への盛り込みを見送った。

 片山氏は「いろんな圧力のガス抜き役、防波堤」(NHK関係者)だった。NHKが9月に策定する経営計画に向けて値下げ論議が再燃しつつあるだけに、防波堤を失ったNHK幹部は「菅総務相と直接話し合うしかない」と不安げだ。

 民放では、番組捏造(ねつぞう)問題を機に菅総務相の主導で放送法改正案に放送局への新たな行政処分が盛り込まれた経緯がある。日本民間放送連盟は「番組への介入だ」と反発。片山氏が中心となって「自主規制が機能している間は発動しない」という留保条件をつけるように調停した。審議は秋以降に持ち越されており、片山氏抜きで「留保条件どころか、法案自体がより厳しい内容になって出し直しになるのでは」と危ぶむ民放幹部もいる。

 NTTについても、総務省は2010年に再分割についての是非を議論する計画だ。NTTは、片山氏が不在となれば竹中前総務相らが唱えていた再分割論が勢いを増しかねない、と恐れる。

 一方の民主党内には、放送法改正案の新たな行政処分について「言論の自由を侵している」という反対意見が強く、業界の意向に沿った主張もある。
[PR]

by deracine69 | 2007-07-30 22:05 | 政治  

<< 自公、挙党態勢へ地固め必死 参... <外遊>政府・自民党幹部が続々... >>