「安倍カラー」発揮困難に 野党攻勢で紛糾必至 憲法改正や教育再生

07/31 00:10 北海道新聞

 安倍晋三首相が就任以来掲げている「戦後レジーム(体制)からの脱却」に向けた看板政策の行方が、参院選惨敗で不透明感を増している。憲法改正や教育再生などでは、野党側が対決姿勢を強めるのは確実で、与党内での求心力や省庁への指導力低下も必至。八方ふさがりに近い状態の中、官邸主導の「安倍カラー」発揮は停滞を余儀なくされそうだ。

 首相は三十日の記者会見で、憲法改正について「今回の選挙では残念ながら議論できなかった。国民投票法が成立したが、三年間は憲法改正ができないので、その時間を使って国民とともに広く深く議論していく」と述べるにとどめた。今年四月に自民党新憲法制定推進の集いで「自民党総裁として約束した以上、必ず政治スケジュールに乗せていく」と意気込んだ発言からは、かなりトーンダウンした。

 改憲発議には、衆参両院でそれぞれ三分の二以上の賛成が必要で、野党勢力を巻き込むことが必須だ。しかし参院では与党が過半数を割り、民主党内の改憲派からは「政権奪取まで自民党に協力することはない」(代表経験者)との声が出ている。協力を取り付けるのは極めて難しい情勢だ。

 首相の持論である集団的自衛権の行使容認問題も、これまでのように首相ペースで進むかどうかは不透明だ。憲法解釈変更を視野に個別事例を研究している有識者会議は、秋に結論を出すが、首相がこれに基づいて国会答弁で強引に解釈変更に踏み切ろうとしても、民主党が主要ポストを握る参院審議の紛糾は必至だ。

 首相は三十日の会見で、教育再生と公務員制度改革にも引き続き意欲を示したが、参院は与野党の対決法案の審議が軒並み停滞するのは確実。教育再生関連の法案を提出しても参院で採決されない事態になれば、首相の目指す「教育現場の一新」は失速する。

 塩崎恭久官房長官は三十日の会見で、来年の通常国会に提出する、公務員制度改革の全体像を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法案(仮称)について「議論して、野党のいい考えを取り入れられるならば取り入れる」と民主党などとの妥協を示唆した。法案の取りまとめ段階では、政権弱体化につけ込み、与党内の「骨抜き」を狙う勢力や省庁の抵抗が激化することも予想される。
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by deracine69 | 2007-07-31 00:10 | 政治  

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