野党に国会主導権 与党、強行採決不可能に

2007年07月30日10時02分 朝日新聞

 参院で与野党が逆転する国会は8年ぶりで、議長も野党・民主党が握れば初めてのこととなる。先の通常国会は衆院で3分の2を握る巨大与党が主導し、対決法案を次々と成立させたが、今後は主導権が野党に移る。成立する法案は絞り込まれ、様相は一変することになりそうだ。

 自民党の二階俊博国会対策委員長は29日夜、「大変厳しい国会運営になるのは予想通りだが、それだけに与党間で十分協議して衆参の連携を取りながら、慎重な上に慎重な国会運営をしていきたい」と語った。

 自民、公明両党の幹事長や国対委員長は30日、塩崎官房長官をまじえ、選挙後の臨時国会の開催時期などを協議する。自民党国対幹部は29日夜、「臨時国会は8月7~9日あたりでやるしかない」と述べた。参院議長などを決めるだけで、本格的な秋の臨時国会は9月末以降に召集される見通しだ。

 これまで与党は、改正教育基本法など対決法案を採決強行を重ねて成立させたが、こうした手法は通用しなくなる。首相指名や予算、条約は衆参で議決が異なっても衆院の議決が優先されるが、それ以外は衆院で3分の2以上の多数で再議決しなければ成立しないからだ。自民党内からは「労働3法案のように通常国会で継続審議になった法案は、臨時国会ではやれない」(国対幹部)との声が漏れる。

 98年参院選で自民党が大敗した時は、99年秋に自自公連立政権ができるまで与野党逆転が続いた。「金融国会」と呼ばれた秋の国会では、与党は民主党などの対案を丸のみして成立させた。さらに、防衛庁の不祥事で額賀防衛庁長官の問責決議案が可決され、辞任に追い込まれた。

 野党側はこの再現を狙う。ただ、対決一辺倒だと世論の反発を受ける可能性もある。民主党は法案を参院で修正して衆院に送り返したり、参院に法案を提出・可決して衆院に送ったりすることを検討している。同党幹部は「反対したら本当に止まるから、何でも反対ではいけない。仕方ないというのは賛成していかないと、国会が回らなくなる」と語る。

 秋の国会で焦点となるのは、インド洋の米艦隊などに自衛隊が後方支援するためのテロ対策特措法の延長。11月1日に期限が切れ、延長しなければ支援は打ち切りになって対米関係に影響を与える可能性もある。これまで民主党は延長に反対してきたが、その姿勢を崩さずに政府を追い込むか、修正協議などを経て賛成に回るか、民主党の出方が問われる。

 89年にも与野党逆転となったが、この時は自民党は野党の公明、民社両党と政策によって連携し、重要法案を成立させたこともあった。今回はこのような規模の議席をもつ中間的な野党が存在せず、与党はより厳しい国会運営を迫られる。
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by deracine69 | 2007-07-30 10:02 | 政治  

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