緑資源機構が参院激戦区島根で進める怪しい道路

7月31日10時0分配信 日刊ゲンダイ

「なぜ、こんな人けの少ない所に100億円もかかる道路を造るのか」

 参院のドン、青木幹雄参院議員会長の地元・島根県で、誰もが首をかしげたくなる農業土木事業がまかり通っている。官製談合が発覚した緑資源機構が進める「特定中山間保全整備事業」のことだ。

 対象地域は、島根の玄関口・出雲空港から1時間半ほど西へ走った江津市一帯。事業費120億円の8割(96億円)を道路建設費が占めているが、予定地は何もない山間部なのだ。
「あれが起点」と住民から聞いた橋は、対向車とすれ違うのがやっとの幅で、その先には数十軒ほどの集落があるだけ。ここに大型道路を造るというのだ。

 農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」は事業の目的として、「農産物の輸送時間の短縮」を挙げている。しかし周辺には幹線道路「国道9号」(益田市~松江市)や「浜田自動車道」(浜田市~広島市)が通っており、快適に飛ばせる既存の道路とつながっている。

 なぜ、こんな無駄な事業に予算がついたのか。緑資源機構の談合事件を追及した芝博一参院議員(民主党)は、こう話す。

「農林水産省に影響力を持つ国会議員の地元で、緑資源機構の保全整備事業が採択されています。第1号が松岡利勝前大臣の選挙区だった熊本で、第2号が青木参院会長のお膝元の島根。族議員の政治力の産物であるのは明らかです」

 この事業は全額補助金ではなく、若干の地元負担を伴う。そのため、島根県議会でも費用対効果を厳しく問いただす声が出た。尾村利成県議は06年12月の県議会で「(破綻寸前の)県の財政状況を見たとき、総事業費120億円もの大型プロジェクトに対する投資、経済効果に疑義がある」と反対した。

「そうしたら、緑資源機構の官製談合がはじけたんです。緑資源の受注業者でつくる『特定森林地域協議会』とその政治団体である『特森懇話会』の存在が明らかになり、特定森林協議会の会員企業12社は、青木幹雄議員が支部長である島根県参院選挙区第1支部に3年間で2151万円の献金をしていました」(地元関係者)

 言うまでもなく、緑資源機構の事業の原資は税金であり、受注企業からの献金は「税金の還流」になるのである。

 このプロジェクトで測量・設計工事(05年度と06年度の約1億円分)を受注したのは「出雲グリーン」(出雲市)、「イズテック」(出雲市)、「ワールド測量設計」(斐川町)、「コスモ建設設計コンサルタント」(斐川町)などの10社。

 受注業者からの献金が最も多かったのは青木氏(274万円)だが、続いて竹下登元首相の弟の竹下亘衆院議員(島根2区)の194万円、景山俊太郎参院議員(島根選挙区)の94万円と続く。結局、この保全整備事業は建設業者と族議員のための“私的事業”ではないか。そんな疑念がぬぐえないのだ。(ジャーナリスト・横田一)
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by deracine69 | 2007-07-31 10:00 | 政治  

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