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厚労省、タクシー券 半券照合せず精算 職員、私的流用の疑いも

7月31日8時0分配信 産経新聞

 厚生労働省労働基準局が職員の深夜帰宅用タクシーチケットの使用規定を設けず、使用者控え(半券)を記録しないまま廃棄し、タクシー業者からの請求額と照合せずに精算していたことが分かった。この利用料金は労災保険特別会計に計上され、国民の労災保険料が財源だ。ずさんな管理実態の裏で、他局の職員が私的に流用していた疑いも浮上し、同局は疑わしいチケットの使用実態調査に乗り出す方針だ。

 労基局総務課によると、このチケットは同省の一般会計に計上された職員用のものとは別に、労災関連業務用として使用している。一般会計のチケットには使用規定が設けられているが、同特別会計のチケットにはない。

 原則として、公務により深夜に帰宅する職員に支給するが、チケット申請の記録は付けていない。職員は交付された当日中に使用し、次の勤務日には担当者に控えの半券を渡すことになっている。

 半券には、利用した職員名や日時、経路、金額を記入するが、担当者は半券上での整合性が取れていれば、使用簿などに記録することもせずに半券を廃棄。その後、タクシー業者から請求がきた際に、半券の内容と照合せずに精算していた。

 一般会計のチケットは、使用申請者や使用実態を記録することになっており、請求時に照合できる。

 労基局の19年度予算で、深夜帰宅用タクシー費は9600万円を計上している。同省では職業安定局と医政局にも特別会計のチケットがあるが、一般会計チケットと同様の管理がなされている。社会保険庁は産経新聞の取材に対し回答しなかった。

 一方、ずさんな管理の仕組みにつけ込み、同省の他局の職員が、労基局の特別会計チケットを私的に利用していた疑いが浮上。同局でも情報提供を受け、事実関係の確認を行う方針。

 この職員は産経新聞の取材に「私的な飲食後のタクシー代は自分で払っていると記憶している」と回答。所属課の調べにも同様に答えている。

 同局総務課は「職員がうそを書くとは考えられない。適切に管理している」としている。会計検査院は「チケットの申請記録も使用者控え半券も記録簿もなく、他の方法で照合できないならトラブルがあったときに十分な確認ができないことも考えられ、好ましくない」と指摘している。

by deracine69 | 2007-07-31 08:00 | 行政・公務員  

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