消費税上げ 09年度実施は困難か 財務相は論議入り強調

08/01 08:01 北海道新聞

 消費税率の引き上げに反対する野党が参院で過半数を占めたことで、政府が今秋から始める方針だった消費税を含む税制の抜本改革論議に暗雲が漂っている。尾身幸次財務相らは従来方針通りに議論を始める意向を表明したが、政府が描いていた二○○九年度の税率引き上げは困難な状況に追い込まれつつある。

 「国の財政再建は待ったなしの状況だ。国としてきちんと考えていかなければならないという方向性に変わりはない」。尾身財務相は三十一日の会見で、税制改革論議を秋から始める方針を堅持する考えを表明した。政府税制調査会の香西泰会長も同日の会見で「従来の方針で粛々とやるしかない」と改革論議を先送りする考えがないことを強調した。とはいえ、与党内でも消費税増税の先送り論がささやかれ始めるなど、議論の足踏みは避けられない情勢だ。

 政府は基礎年金の国庫負担を○九年度までに現行の三分の一から二分の一に引き上げることを決めている。財務省はその財源に消費税率の引き上げ分を充てる筋書きを描き、年末の税制改正に消費税増税を盛り込んだ上で、○八年通常国会に増税法案を提出、○九年度の実施をにらんでいた。

 しかし、消費税率の据え置きを公約に掲げた民主党が参院第一党に躍進、他の野党も増税に反対しているため、国会での審議難航は必至。政府税調の香西会長も「参院で過半数を占める野党の主張に反することは、簡単には通らないと覚悟しなければならない」と厳しい見通しを示す。

 参院が増税法案を否決した場合、衆院で出席議員の三分の二以上で賛成を得て再議決すれば成立する。自民党は衆院で三分の二以上を占めているものの、消費税増税には国民の反発が強いだけに、衆院議員の任期が切れる○九年九月が近づくほど成立が難しくなる。

 しかも、自民党税制調査会の非公式幹部会のメンバーで発言力のある片山虎之助参院幹事長が落選したことで、自民党税調が消費税増税論議をどこまで主導できるかも不透明だ。

 このため、財務省内でも「年末の税制改正で消費税増税が決着する可能性は極めて低くなった」(幹部)と、○九年度の税率引き上げに悲観論が漂っている。(東京政経部 西山由佳子)
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by deracine69 | 2007-08-01 08:01 | 政治  

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