赤城農相更迭 批判浴び孤立 口調淡々、目潤ませ

8月1日17時4分配信 毎日新聞

 「政治とカネ」の問題で、また安倍内閣の閣僚が辞任に追い込まれた。1日、辞表を提出した赤城徳彦農相。「ナントカ還元水」問題に揺れ、自殺した松岡利勝前農相の後を受けて初入閣しながら、当初から政治資金を巡るさまざまな疑惑が発覚。その都度「法律にのっとっている」と繰り返すだけで説明を拒否してきた。ある時は、顔にばんそうこうを張った理由も言わなかった。結局は参院選での歴史的惨敗を受け、持ちこたえられずに更迭となった。

 「選挙戦に影響を与え、与党敗北の一因となったことはまぎれもない事実。大変申し訳なく思っております」。1日午前、首相官邸。安倍晋三首相に辞表を提出した後、赤城農相は理由について、こう語った。口調は淡々としているが、目はやや充血し、潤んでいた。

 松岡氏の後任として「政治とカネの問題も考慮して」(政府関係者)農相に選ばれ、着任会見では「私は常々、秘書、事務所の者には、資金の問題とかきちっと処理するようにと言っております」と胸を張った。だが、同じ問題で、さまざまな疑惑が噴出した。

 まず発覚したのは、赤城氏が代表を務める自民党茨城県第1選挙区支部が03年11月、農水省所管の社団法人中央酪農会議から10万円、全国農業協同組合連合会(JA全農)から10万円の献金を受けたというもの。JA全農からは05年9月にも10万円の献金を受けている。2法人とも1年以内に国の補助金を交付された団体で、政治資金規正法で政治活動への寄付が禁じられていた。

 さらに、資金管理団体「徳友会」の事務所費支出が、19万円から1000万円超と、年によって大きく変動していることが判明した。家賃のかからない議員会館に事務所を置いているにもかかわらずだ。

 そして、茨城の実家に事務所を置いた形の「赤城徳彦後援会」事務所費問題。政治資金収支報告書によると「後援会」は家賃などに当たる事務所費だけで10年で約1631万円。このほか、同じく10年間に▽人件費約5353万円▽光熱水費約794万円▽備品消耗費約1266万円を計上していたが、事務所としての活動実態は限りなく「ゼロ」に近いとされた。

 赤城氏は、世界貿易機関(WTO)交渉のため、7月10日にジュネーブに向かった後も、報道陣に追いかけられ、釈明しなければならなかった。

 同21日には、関連政治団体「つくば政策研究会」(04年に解散)が97年以降の7年間、すでに東京都港区西新橋のオフィスビルから退去していたにもかかわらず、収支報告書にはこの場所に事務所が実在するように記載し、事務所費など計1215万円の経常経費を計上していたことが毎日新聞の報道で発覚。赤城氏は「会計責任者が異動届を怠った」と釈明した。

 同27日には「赤城徳彦後援会」「自民党茨城県第1選挙区支部」の03年分の収支報告書に、郵送代19万6085円を政治活動費として二重計上していたことも発覚。赤城氏は「事務処理上のミス」と強調したが、既にその言葉は信頼を失っていた。

 ほおと額に大きなばんそうこうを付けて7月17日の閣議後会見に臨み、その理由説明をしなかったことも批判の対象になった。「『成長を実感に』という訴えが、年金とばんそうこうで、実感でなく反感になってしまった」。小池百合子防衛相がこう切り捨てるほど、孤立していた。

 赤城氏は農水省OB。90年に30歳で初当選して当選6回。昨年9月の自民党総裁選で安倍首相の推薦人に名を連ねるなど、安倍総裁誕生を支えた。04年には衆院に新設された「北朝鮮による拉致問題特別委員会」の初代委員長に就任。祖父、故宗徳氏は安倍首相の祖父、故岸信介元首相の側近で、農相などを務めた。
[PR]

by deracine69 | 2007-08-01 17:04 | 政治  

<< 農相辞任、いつであってもタイミ... 改憲に動くと野党共闘困難=福島... >>