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ざわつく自民 農水相の更迭…安倍降ろしの動きも 「人心一新」先送りが誘発

8月2日18時9分配信 産経新聞

 参院選の自民党大敗北の一因となった赤城徳彦前農水相の更迭劇は、党内の混乱に拍車をかけている。安倍晋三首相に早期退陣を迫る「安倍降ろし」の動きも浮上しており、「ポスト安倍」とされる福田康夫元官房長官や麻生太郎外相の周辺もざわついてきた。内閣改造・党役員人事が9月1日前後に先延ばしされたことが遠因で、人心を一新しても果たしてそれでこの局面をしのげるかどうか、首相は極めて厳しい状況に置かれている。

 「赤城氏、辞表提出」の一報は、参院選後初の党役員連絡会が終わった直後に飛び込んだ。「エエッ!」と驚きの声が上がったが、「赤城氏のせいで参院自民は5議席は減らした」(中堅)との思いが圧倒的だけに同情の声はほぼ皆無だった。

 茂木敏充筆頭副幹事長は「辞任は当然だ。もっと早く辞任すべきだったとの声もある」と憤りの表情。中川秀直幹事長も「政治資金に関する経緯を国民に納得してもらえなかったことが、参院選の敗因の一つだ」と突き放した。落選の憂き目にあった片山虎之助参院幹事長は「辞任がベストのタイミングなのか疑問が残る」。笹川堯元科学技術担当相は「落選した人の顔が目に浮かぶと…」と眼鏡を外し、目頭をぬぐってみせた。

 不満は、対応が後手に回った首相にも向いた。舛添要一参院政審会長は「安倍内閣の危機管理能力のなさに驚く。百害あって一利なし。今ごろ辞任しても何の意味もない」と罵倒(ばとう)。公明党幹部も「あ~そうなの。何を今さらって感じだ」とあきれたという表情を浮かべた。

 閣僚4人目の交代とあって、首相の求心力は急速に低下している。

 7月30日夜、反主流派の谷垣派が会合を開き「首相が続投するなら、批判に対してきっちりしたメッセージが必要だ」(谷垣禎一元財務相)と圧力を強める方針で一致。31日夜には、山崎拓元副総裁、加藤紘一、古賀誠の両元幹事長の「新YKK」と津島雄二元厚相が「ポスト安倍」について協議したとされる。

 一方、「ポスト安倍」として麻生、福田両氏の名前がとりざたされはじめた。

 麻生氏は1日、外遊先のマニラで記者団に、首相を全面支持する姿勢を強調したうえで、「首相は若く、経験の絶対値が少ないからそれを支える重厚な布陣を敷くべきだ」と述べ、「チーム安倍」を暗に批判。さらに、総裁選になれば出馬する意欲を示し、「自分にそういう期待が高いことには感謝しなきゃいけない」と述べた。

 首相とは「犬猿の仲」とされる福田氏は沈黙を守っているが、「首相に批判的な姿勢に変わりはない」(周辺)といわれ、「古賀、谷垣、津島、山崎の各派がまとまるならば、福田氏でいける」(閣僚経験者)という声も出ている。

 小池百合子防衛相までも「ポスト安倍」の一人に浮上。本人は「私は自民党では、外来種の小魚なので一切考えたことがない」ときっぱり否定した。

 これほどまでに党内がざわつく原因は、内閣改造・党役員人事が「隠れたスキャンダルなどがないか身辺調査に時間がかかる」(政府筋)ことを理由に、9月1日前後に先送りされたことが大きい。派閥領袖らは「影響力の見せ所」とばかりに注文や助言を繰り返している。反主流・非主流勢力にとっては、政権を揺さぶる絶好の機会となっている。

 首相が真っ先に「挙党態勢」を掲げたこともネックとなったようだ。裏を返せば、「今の内閣が『お友達内閣』だったことを認めたようなものだ」(自民中堅)といえるからだ。

 首相は先月31日から首相官邸・公邸にこもる時間が増えた。「首相は『沈黙は金』と考え、今のうちに不満をすべてはき出させようとしている」(首相周辺)といわれ、静かに人事構想を練っているようだ。反主流派・非主流派からの登用は避けられないとの見方が強いが、批判を恐れこぢんまりとまとめると「安倍カラー」は大幅に後退する。国民も党内も「『う~ん』とうならせる人事」(森喜朗元首相)をできるかどうか。

by deracine69 | 2007-08-02 18:09 | 政治  

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