<集団的自衛権>安保懇報告棚上げへ 法制化に慎重論

8月5日3時7分配信 毎日新聞

 安倍晋三首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)は10日、参院選で中断した議論を再開する。集団的自衛権の行使を認めるための憲法9条解釈の見直しを今秋、報告書にまとめて提言する。だが、参院選惨敗で安倍政権の求心力は急速に低下、首相は与党内の慎重論に配慮し、報告書を当面棚上げし、法制化を見送らざるを得ない状況だ。

 「安保法制懇の報告書はそのまま置いておくことになる。集団的自衛権の容認は安倍政権の自殺行為だ」。元々、行使容認に反対論の強い公明党幹部はこう断言した。

 5月18日に始まった懇談会は、参院選までに3回議論を重ねた。首相が検討を要請した4類型のうち、日米同盟を強化するための▽公海上の米艦の護衛▽米国向け弾道ミサイルの迎撃――の2類型の議論はほぼ終え、「集団的自衛権の行使を認めるべきだ」との意見で一致。再開後は、自衛隊の国際平和協力活動を拡充するため、▽駆け付けたうえでの他国軍隊の護衛▽戦闘地域内での後方支援活動の是非――の残る2類型を議論する。メンバーの一人は「元々結論ありきの懇談会で、参院選結果がどうであれ報告書の内容は変わらない」と語っており、これらも容認の見通しだ。

 ただ、実際に集団的自衛権を行使するためには「首相が宣言するだけではだめで、自衛隊法改正など法的担保が必要」(内閣官房幹部)になる。自衛隊法は同盟国のための活動は規定しておらず、同法を改正し「集団自衛出動」などの項目を設ける必要があり、文民統制を徹底するための国会承認の規定などを盛り込んだ「集団自衛事態法」の制定も想定されている。

 しかし、公明党は「タカ派色の政策は一切だめだ。法案を出してきたらシュレッダー行きにする」(幹部)と態度を硬化させており、関連法案の提出は当面絶望的。自民党内でも、集団的自衛権の議論をリードしてきた石破茂元防衛庁長官が公然と首相退陣を訴えるなど、意見集約は難航必至の状況だ。【古本陽荘】
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by deracine69 | 2007-08-05 03:07 | 政治  

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