アフガン拉致 カルザイ大統領と米大統領会談に韓国期待
8月5日9時58分配信 毎日新聞韓国の「セムムル(泉の水)教会」の信徒ら20人と現地合流の3人が先月19日に拉致された事件は、これまでに牧師と男性信徒の2人が殺害され、残る21人(同教会によると男性5人、女性16人)の運命も危ぶまれる展開となった。
アフガン政府との交渉でタリバン側は、拘束中の仲間の釈放を人質解放の条件として要求、「テロ集団に譲歩しない」という姿勢で米国と共同歩調をとるアフガン政府はこれを拒否してきた。韓国政府・世論はこのままでは人質殺害が続く恐れがあると懸念し、タリバンメンバーの釈放について「柔軟対応」の必要性を訴えている。
ブッシュ・カルザイ会談に関して韓国青瓦台(大統領官邸)報道官は3日、「両首脳が我々の立場を十分に理解して会談に臨むことを期待している」と述べた。また、韓国政府とタリバンの直接交渉について「最優先目標は、彼らが要求している収監者釈放には限界があるという点を伝えることだ」と語った。米アフガン首脳会談で「柔軟対応」が示されない場合、タリバン側に人質解放条件を変えさせたいという願望がにじんでいる。
一方、2日から訪米した超党派の韓国国会議員団にバーンズ国務次官ら米高官が「創造的外交」を進める姿勢を見せたと伝えられ、これも韓国で期待を集めている。しかし具体的な内容は不明で、米国が「テロに譲歩せず」の原則を曲げるとの見方が強いわけではない。「米、アフガン両首脳の姿勢が変わらないまま、タリバン側が韓国政府に直接、メンバーの釈放を求めた場合、状況は今よりも悪化しかねない」との分析も出ている。
自国の力だけでは打開が困難な窮状に韓国社会のストレスは大きい。左派系の政治家や一部団体が「米国責任論」を打ち出しており、反米感情に火がつく可能性もある。
4日付の東亜日報社説は、人質の留守家族らの反対にもかかわらず対米非難の集会を始めた団体などを批判し、年末の韓国大統領選に向けて反米感情を利用しようという狙いではないかと懸念を表明した。
by deracine69 | 2007-08-05 09:58 | アジア・大洋州