日ロ為政者の身の処し方

2007年8月8日 東京新聞

 ロシアは来年三月の大統領選挙に向け、政治の季節に入った。大統領任期は二期八年までという憲法の規定により、プーチン大統領も退陣する運びになっている。

 それでもプーチン支持派には、改憲して連続三期まで認めようという意見が根強くある。議会は事実上のプーチン翼賛体制。その気になれば改憲は可能だ。

 改憲を口にする人たちには、国民もさして抵抗はすまい、という読みがある。実際、ある世論調査では、もしプーチン氏が三選出馬できるのなら、同氏に投票すると答えた人が約三分の二に上った。

 同じ旧ソ連圏である中央アジア・カザフスタンの議会はこの五月、現職のナザルバエフ大統領に限って三選禁止規定を除外し、終身大統領への道を開く憲法改正をした。

 ここまでくると、民主国家とはいえまい。ロシアも似たようなことをすれば、欧米から白い目で見られるだろう。ロシアの知識人層にも「中央アジア諸国と同じになるのか」と否定的な空気がある。

 プーチン氏自身、三選の可能性を否定している。民主化を大きく後退させた同氏だが、さすがに最後の一線を踏み越えるつもりはないようだ。

 ただ、まだ五十四歳。引退するには若い。そこで、次期大統領職は自分の息のかかった者に継承させるが、一期だけで身を引かせ、その次はプーチン氏が再登板する-という奇策がまことしやかに取りざたされている。

 プーチン氏とは逆に、支持率下落にあえぐ安倍晋三首相は、参院選で惨敗しても続投した。「美しい国」を説くこの為政者の美学とは、なんなのだろうか。 (青木 睦)
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by deracine69 | 2007-08-08 08:00 | 政治  

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