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小池大臣vs防衛次官…政府も巻き込み人事戦争

8月12日15時59分配信 産経新聞

 小池百合子防衛相が9月の退任を内定した防衛省の守屋武昌事務次官の人事をめぐり、小池、守屋両氏が政府・自民党を巻き込んだ神経戦を展開している。在任期間が4年を超え、「出処進退は自分で決める」と語っていた守屋氏は顔に泥を塗られた格好で、小池氏が内定した警察庁出身幹部の次官就任阻止に動いている。(加納宏幸)

 「人事については相談することになっていたはずだ。これでは話が違う」。7日朝、新聞報道で自らの処遇を知った守屋氏は大臣室を訪れ、小池氏に抗議した。が、小池氏は「報道の通りです」と冷たく言い放った。秋の臨時国会でテロ対策特別措置法改正案が最大の焦点となるため、周囲に「秋は忙しくなる」と語っていた守屋氏。与野党双方に幅広い人脈を持ち、「官僚というよりも政治家タイプ」(政府筋)とあって、政界工作には絶対的な自信がある。小泉政権で陰の実力者とされた飯島勲前首相秘書官に食い込み、昨年6月の首相訪米には事務次官として異例の同行を果たした。

 守屋氏には平成15年8月の就任以来、自衛隊のイラク派遣、在日米軍再編、そして防衛庁の省昇格といった同省の権限強化につながる事業を成し遂げてきた実績がある。「守屋氏の存在がなければ三流官庁のままだった」(同省幹部)との指摘は的はずれではない。

 その一方で、意に沿わない人物を左遷することで長期政権を築いたとの指摘も。その結果、「(昭和46年入庁の)守屋氏よりも4年下の増田好平人事教育局長まで次官にふさわしい人材が存在しない」(防衛庁長官経験者)という状況を作った。防衛官僚は守屋氏の顔色をうかがうようになり、情報流出など不祥事も続出。守屋氏自身も防衛産業との関係をめぐるゴシップが絶えない。省内でも早期退任を望む声は強まっていた。

 守屋氏自身、地位にしがみつくつもりはないというが、後任に挙げられたのは警察庁出身の西川徹矢官房長(昭和47年入庁)。防衛省生え抜きの人物を思い描いてきた守屋氏にとって受け入れられるものではなく、政界への巻き返し工作を展開。十分な根回しを行わないまま訪米に出発した小池氏に対し、政府・与党からも批判が出ている。

 今回の人事を事前にまったく知らされなかった塩崎恭久官房長官は、「最後に決めるのは正副官房長官会議だ」と周辺に不快感を隠さない。自民党の山崎拓元副総裁は9日、「訪米前に事務次官人事をリークしたが、首相の了承がなければできない」と述べた。

 小池氏は11日の帰国後に調整を再開するが、初の女性防衛担当相を迎えた省内の歓迎ムードは今回の騒動で一変した。ある防衛省幹部は「守屋色の一掃を狙う小池、西川両氏が仕掛けたクーデターだ。絶対に西川氏を次官にはさせない」と吐き捨てた。

by deracine69 | 2007-08-12 15:59 | 政治  

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