首相の胸中は? 内閣改造、「挙党態勢」に牽制球

2007/08/16 01:25 産経新聞

 安倍晋三首相が27日に予定している内閣改造・党役員人事は、閣僚の失言や不祥事、参院選の大敗により大幅な入れ替えが予想される。自民党内の非主流派などは、小泉前政権下で定着した首相主導の人事をひっくり返す好機ととらえ、「挙党態勢」の構築を名目にポストの確保をもくろむ。首相がこうした思惑に配慮するのか、突っぱねるのかが最大の焦点だ。

 今回の人事に最も「期待」を寄せているのは、この人かもしれない。

 「『お友達内閣』を解消し、広く党内の人材を求めるべきだ」

 自民党の山崎拓元副総裁は2日の派閥の会合後、記者団にこう力説した。長く非主流派に位置づけられる山崎氏は「挙党一致」の必要性も強調した。

 山崎氏に限らず、党内のベテラン議員は異口同音に挙党態勢の重要性を説く。裏を返せば、「身内や若手ばかりを重用するな」という、首相に対する牽制(けんせい)だ。

 「お友達人事」の象徴といえるのが、首相も参加していた「NAISの会」の面々だ。根本匠・経済財政担当補佐官(N)、石原伸晃幹事長代理(I)、塩崎恭久官房長官(S)はいずれも、安倍首相(A)によって重要ポストに抜擢(ばつてき)された。中でも注目されるのが塩崎氏の処遇だ。

 首相の“後見人”を自認する森喜朗元首相は露骨に「塩崎外し」を主張する。12日の民放番組では「東京大学、ハーバード大学(出身という)だけでは国会の運営はできないでしょう」と言い放った。

 首相自身は13日、記者団に塩崎氏の処遇を問われると、「まだまったく白紙の段階」とかわしたが、「他の閣僚への横滑りはありうるが、留任はありえない」(政府関係者)との見方もある。

 最近の塩崎氏は、守屋武昌防衛事務次官の交代問題をめぐり小池百合子防衛相と激しく対立。小池氏には「もう顔も見たくない」とまで言われる始末で、首相は図らずも、塩崎氏と小池氏のどちらをとるかという選択を迫られる格好となっている。

 もう1つの注目点は、首相補佐官のあつかいだ。安倍首相は就任時、官邸機能強化のため、内閣法に定められた定員である5人の補佐官を任命した。しかし、この補佐官に対する自民党の風当たりも強い。「首相の分身で、身代わりに、いろんなことを考え提案していく」としていた広報担当の世耕弘成氏にいたっては、内閣支持率の大幅な低下と参院選大敗の「戦犯」的な扱いを受けている。

 逆風下での人事に乗じ、自民党内からはさまざまな注文が投げかけられている。例えば、森氏は福田康夫元官房長官や谷垣禎一元財務相の名前まであげて、首相と距離のある人材の登用を促している。首相自身の意向はどうなのか。

 「しっかりと全党的に新しい国づくりに向けて一丸となれる態勢を考えていかなければならないと思う」

 参院選投開票日の先月29日夜、大敗が判明し首相は内閣改造の必要性に言及したうえで、こう強調した。この言葉からは、挙党態勢構築の必要性を認識しつつ、首相が描く「新しい国づくり」で一致できる人材を引き続き登用していく意向がうかがえた。

 今月3日には、記者団とのやりとりで「派閥の推薦を受けずに組閣を行う」と宣言した。13日には「(人事は)私一人で決めなければならないと思っている」とも語った。

 首相は19日から、インド、マレーシア、インドネシアへの外遊に旅立つ。「外国訪問中は、その仕事に集中する。人事はその直前まで考えて熟慮し断行する」。夏休みを返上しての沈思黙考が続く。
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by deracine69 | 2007-08-16 01:25 | 政治  

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