事務次官騒動、小池防衛相「反小池」に完敗

2007年8月18日8時22分 日刊スポーツ

 政府は17日、混乱が続いた守屋武昌防衛事務次官(62)の後任について、増田好平人事教育局長(56)を充てる人事を内定した。小池百合子防衛相(55)が推す警察庁出身の西川徹矢官房長(60)、守屋氏が推す山崎信之郎(しんしろう)運用企画局長(60)の起用はともに見送り、同省生え抜きの「第3の男」の登用で決着した。一見、“痛み分け”だが、裏側では「反小池」で連携した塩崎恭久官房長官(56)と守屋氏の“逆転工作”があった。

 政府は27日に予定する内閣改造後に次期次官を決めることにしていたが、官邸主導で早期収拾を図ることで、政権へのマイナスイメージ拡大に歯止めをかけるのが得策として方針転換。各省庁の局長級以上の人事を決める正副官房長官による人事検討会議を急きょ開いた。

 守屋氏の後任をめぐっては、小池氏がイージス艦中枢情報流出事件を踏まえ、情報保全の強化には警察庁出身の西川氏が適任と判断。一方、守屋氏ら防衛省内には生え抜きを起用すべきだとして対立が続いていた。

 西川氏を後任とする報道が先行したことに、塩崎氏は「国家統治システムに対する重大な挑戦」と小池氏を批判し、守屋氏も反発。小池氏の「独走」に不快感を募らせる塩崎氏と、西川氏の次官就任阻止を狙う守屋氏の思惑は一致した。

 15日には、小池氏が人事案を通告するために守屋氏の携帯電話にかけたがつながらなかったと暴露し、守屋氏が「その都度折り返している」と反論するなど批判合戦はエスカレート。同日、塩崎氏は守屋氏に「年功序列にこだわらず、小池氏も納得できる新味ある人事案を」との“極秘指令”を出していたという。

 17日には「今日中に決着させてほしい」という安倍晋三首相(52)の意向を受けて塩崎氏ら正副官房長官4人が都内のホテルで協議。(1)17日中の人事決定(2)守屋氏の後任は西川氏に代わる人物-との方針を確認し、その場で塩崎氏が小池氏に電話で伝えた。安倍首相に何度も電話して西川氏の起用に了承を促していた小池氏は、西川氏に固執したが、「これは正副官房長官の総意だ」と畳み掛ける塩崎氏の強硬姿勢に押し切られた。

 「第3の男」増田氏は守屋氏とは反りが合わず、省内で「犬猿の仲」とされていた人物。増田氏の次官昇格に伴い、後任として小池氏が推した西川官房長も、守屋氏が推した山崎運用企画局長も退任する。小池氏の省内での求心力低下はこれで避けられなくなったが、政治評論家の浅川博忠氏は「小池氏の手法に反発する自民党防衛族らにも配慮した決着。『塩崎対小池』の対立も内閣改造の横滑り人事で決着するだろう」とみている。

 増田氏は1975年、防衛庁入庁。現在の事務次官では最年少となる。小池氏は「随分と(次官の年次を)飛ばすのね」と言葉少なだった。
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by deracine69 | 2007-08-18 08:22 | 政治  

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