<遠藤農相辞任>怒気含め釈明 「公金着服ない」

9月3日12時11分配信 毎日新聞

 国会答弁に一度も立つことなく、遠藤武彦農相は3日、内閣を去った。自身が組合長を務めていた「置賜(おきたま)農業共済組合」(山形県米沢市)の補助金不正受給による引責辞任。わずか1週間在籍した農水省での辞任会見では、釈明を繰り返し、初入閣を果たしたポストへの未練ものぞかせた。不祥事で次々と農林水産行政のトップが交代する異常事態に、肝心の農政が置き去りにされている。

 午前9時少し前、遠藤農相は安倍晋三首相に辞表を提出するため、首相官邸に入った。緑がかった灰色のスーツに身を固め、視線はやや下。殺到する記者団の問いかけには一切答えなかった。

 午前10時10分から農水省で開かれた記者会見の冒頭でもむっとした表情を崩さなかったが、一度口を開くと、怒気を含んだ声でまくし立てるように釈明を始めた。

 「一切受けておりません」。ひときわ声を大きくしたのは、不正に受給した交付金(補助金)に触れた場面だった。国からの交付金は上部団体の山形県農業共済組合連合会に支払われており、置賜農済組合は制度上、直接は受け取っていないということを強調したものだが、遠藤氏は県農済連の会長でもあった。

 さらに「公金着服、詐取、横領などもありません」と続け「再三(組合の課長が)問い合わせたが何も無かった」と唇をかみしめ悔しさをにじませながら、会計検査院や県にも矛先を向けた。

 「国民の皆様に政治不信を感じさせたことを深くおわび申し上げます」と謝罪の言葉が出たのは、ようやく一連の釈明が済んだ後だった。

 質疑応答になると「遠藤節」が出始めた。「事務的には間違ったが(共済職員による)立て替え自体は法的には問題ないということだった」と身振り手振りを交え、「いつ辞任を決めたのか」などの質問には「(農相)就任前に組合長を辞めておけばよかった。脇が甘かったかな」と笑う。就任会見で「ここだけは来たくなかった」述べたことを問われると、笑顔で両手を広げながら「そんな能力があるのかなという思いだった」と話した。

 誰からか辞任を迫られたのでは、という問いには「ありません」と強い口調で言い切る一方、8日間の在任中の成果については「何もできなかったことは深くおわびしたい」と力なく答えた。最後は「終わります」と質問をさえぎるようにして約30分の会見を終えた。会見場から大臣室へ向かう途中に「説明が足りないのではないか」との声が記者団から飛んでも、無言のままだった。

 省を去る際に行われる職員による見送りも、本人の希望で行われなかった。【日下部聡、北川仁士】

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by deracine69 | 2007-09-03 12:11 | 政治  

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