10日召集「ねじれ国会」 参院自民「丸投げ戦術」も

9月7日11時7分配信 産経新聞

 参院で与野党が逆転した「ねじれ国会」の召集を10日に控え、参院では、常任委員長ポストをめぐり、自民、民主両党が激しい前哨戦を続けている。民主党が議長や議院運営委員長に続き、予算、外交防衛など主要な委員長ポストを要求しているためだ。自民党は「先例」を盾に抵抗する一方、院の運営をすべて民主党にまかせ、政権交代を掲げる民主党の「お手並み」を拝見する「丸投げ」戦術や、徹底抗戦する「野党化」戦術への切り替えも視野に入れ始めた。

 国会召集を前に4日から始まった参院議院運営委員会理事会では、前首相補佐官の世耕弘成自民筆頭理事と、民主党の小川勝也民主党筆頭理事との激しいつばぜり合いが続いている。

 小川氏「参院選後は新しい事態になった。新しい観点からやりたい」

 世耕氏「自民党は伝統に従い、民主党にポストを譲ってきた。従来のやり方を踏襲することはすでに国対委員長間で合意したじゃないか!」

 小川氏「そんな話は聞いてない…」

 参院の常任委員長人事は議席配分に従い、不要なポストを譲り合う「吐き出し方式」を続けてきた。先月7~10日の臨時国会でも、自民、民主両党の国対委員長は、議運委員長を民主党に譲る代わり予算委員長は自民党が維持することなどを合意していた。

 ところが長野・軽井沢で3日に開かれた参院民主党の研修会で、小沢一郎代表は輿石東参院議員会長に「重要な委員長ポストは取ってほしい」と指示。これを契機に、参院民主党は態度を一変させ、本会議の委員長選挙で決める強行策までチラつかせ始めた。

 これは自民党の青木幹雄前参院議員会長と輿石氏が長く続けてきた調整型の参院運営の破綻(はたん)を意味する。民主党は、すでに運営の要である議長と議運委員長を押さえており、主導権は揺るぎない。加えて、論戦の主戦場である予算委員会、テロ対策特別措置法改正案を審議する外交防衛委員会、年金問題を扱う厚生労働委員会などを押さえれば、参院は「陥落」したも同然となる。

 そこで、参院自民党内で真剣に検討され始めたのが「丸投げ戦術」だ。自民党がこれまで担ってきた各会派への根回しやテレビ中継の手配、国会法や先例の解釈などをすべて、ノウハウのない民主党に任せ、運営が破綻しても知らぬ顔をするというわけだ。

 一方で、「徹底抗戦」も視野に入れる。民主党が本会議での委員長選挙を主張しても、現職委員長が辞任しない限りは選挙はできない。野党が委員長の解任決議案を可決し、解任することもできるが、解任決議案には法的拘束力はなく、居座ることが可能だ。

 参院自民幹部は、「ねじれ国会はエンジンを左右で逆に付けている飛行機。操縦できるわけがなく、民主党に操縦させれば必ず失速する」と打ち明ける。

 参院での与野党の「チキンレース」は衆院に飛び火しかねない。ある自民中堅は「民主党が参院を強行支配するならば、自民、公明両党は衆院を同様に支配する。3分の2を占める与党がすべての委員長ポストを握り、野党と一切妥協しなかったらどうなるか分かるはずだ」とうそぶいた。

【用語解説】常任委員長ポスト
参院では常任委員長ポストが17あり、参院選前は自民9、民主6、公明2の配分だった。先例に従うと、今後は民主9、自民6、公明2の配分となる。特別委員長ポストは設置する度に与野党協議で割り振るために今回変更はない。
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by deracine69 | 2007-09-07 11:07 | 政治  

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