舛添厚労相が刑事告発断念 年金横領に時効…野党「今さら」

9月12日10時6分配信 産経新聞

 社会保険庁職員による年金保険料などの横領・着服問題について、舛添要一厚生労働相は11日の記者会見で、「刑事告発は7年の時効の壁で無理だ」と述べ、横領職員の刑事告発を断念する考えを明らかにした。舛添氏は4日の会見では「今からでも刑事告発する」と明言していただけに、トーンダウンした印象だ。野党からは「時効は最初から分かっていたはず。国民うけすることをパフォーマンスで言っていただけ」との冷ややかな見方が出ている。

 舛添氏は刑事告発を断念する理由について、「国民の感覚からは常識外という気持ちもするが、遡及(そきゅう)的に何かできるかというと極めて不可能に近い。私は憤慨しているが、法治国家で法を犯してまではできない」と説明。民事訴訟による損害賠償請求にも、「返済していないというなら確実にやりたいとは思うが、(ほとんどは)全額返済している」と述べ、困難との見方を示した。

 横領・着服職員に退職金が支払われていたケースがあったことについても「いまから退職金を戻させることが法的に可能かどうか」として、自主返納要求は難しいとの認識を示した。

 これまで舛添氏は「横領をした連中は、きちんと牢屋に入ってもらうのは当たり前だ」、「一番の伏魔殿は市町村。盗っ人は草の根をかき分けても捜し出してほしい」などと社保庁や市町村の対応を批判してきたが、わずか1週間で威勢の良さが影を潜めた。

 ただ、業務上横領罪の時効は、当初から厚生労働省内では認識されており、舛添氏の態度については「横領公表時には、刑事告発するとでも言わなければ世論が収まらないと判断したが、国会を控えて野党に揚げ足をとられないように軌道修正を図ったのだろう」(自民党ベテラン)との見方が出ている。

 舛添氏は11日の会見で「いままで世間に明らかになっていなかったことが、明らかになっただけでも、少しの抑止効果は持つ」と述べ、刑事告発しなくても成果が上がったことを強調したが、野党は「国民の関心を引くため、できもしないことをやると言っていただけ」(民主党中堅)と批判。また、国民に失望感が広がる可能性もある。
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by deracine69 | 2007-09-12 10:06 | 政治  

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