安倍首相、公約全部放りなげ突然の退陣

9月13日8時3分配信 スポーツ報知

 安倍晋三首相(52)が12日、突然退陣を表明した。自ら「国際公約」に位置付けた海上自衛隊のインド洋での給油活動継続をめぐり、民主党の小沢一郎代表(65)に党首会談を拒否されるなど政策遂行が厳しいことを辞任理由に挙げたが、年金問題など山積する問題を放り投げての幕引きに「なぜ?」「無責任」の声があがっている。3日前には「職を賭す」とまで言い切り、所信表明演説を行った上で、唐突に辞意を表明した「政界のプリンス」は、就任から1年持たずに官邸を去ることになった。

 安倍首相は最後の最後まで「KY(空気が読めない)」だった。官邸での緊急会見に姿を現し、開口一番、「本日、首相の職を辞するべきと決意しました」と語った。表情は青白く、声は細かく震え、目はうっすらとうるんでいた。

 7月の参院選で自民党は惨敗するも、首相の座に居座った。8月末に内閣改造を断行したが、「政治とカネ」の問題は新閣僚にも付きまとった。9日についに「職を賭す」と進退に言及し、与野党の本格論戦に向けた10日召集の臨時国会で所信表明を行い、決意を新たにした。この日の衆院での代表質問に臨むはずだったが…。

 辞任の一報が流れたのは、衆院での本会議開始直前の午後1時前。主役なき国会は代表質問当日の流会という前代未聞の事態に陥ったが、周囲の混乱をよそに、安倍首相は“弁解”を続けた。

 突然の辞任に質問が集中した。「私の決断が先に延びることで国会の混乱が大きくならないように…」と自らの政治責任を挙げる一方で、主たる理由として、実現しなかった民主党の小沢一郎代表との党首会談を挙げた。

 海自の給油活動継続に向け「局面の打開、転換を図るため」と繰り返し、「私が首相であることが障害になっている」とも語った。活動継続に反対姿勢の小沢氏にも責任があるかのような言動を重ね、明確な辞任理由は明かさなかった。

 だが、予兆はあった。所信表明演説後の10日夕、会合後に麻生太郎幹事長を呼び止め「眠れない。首相の職を辞したい」と辞意を漏らした。麻生氏は慰留したが、首相は気持ちを固めつつあった。それでも12日は官邸に現れ、代表質問にも意欲を見せていた。

 ところが昼ごろ、事態は急転する。党首会談開催に向け、民主党側と協議した大島理森国対委員長が官邸を訪れ、協議が不調に終わったと告げると、首相は会話を遮り「私の意見を言います。辞めることにしました」と宣言。大島氏の説得には耳を貸さず「これから麻生幹事長に電話します」と席を立った。体調不良に加え、精神的疲労のあまり「心の糸」までプッツンしてしまったようだ。

 政権は年金問題など課題が山積したまま。重責を放り出した形の首相は夕方、官邸から出た際に記者団からの「悔いはありませんか?」との問いに深くうなずいた。その後、医師による点滴治療を受け、痛んだ心身を癒やした。

 内閣発足352日目。「美しい国」を旗印にした首相の幕引きは、あまりに美しくはなく、無責任だった。
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by deracine69 | 2007-09-13 08:03 | 政治  

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