正念場を迎える対北朝鮮外交

2007年9月17日 新潟日報

 小泉純一郎前首相が日本の首相として初めて北朝鮮を訪問、金正日総書記と首脳会談を行い、日朝平壌宣言に署名してから17日で丸5年を迎えた。拉致被害者5人と家族の帰国は実現したものの、横田めぐみさん=失踪当時(13)ら多数の拉致被害者の安否はいまだに不明のまま。全面解決への展望は全く開けていない。六カ国協議で核問題に一定の進展が見られる中、日本の孤立化も懸念され、対北朝鮮外交はかつてないほどの正念場を迎えている。

 2002年9月17日、平壌市内で小泉前首相と会談した金総書記は拉致を認め、蓮池薫さん夫妻や曽我ひとみさんら被害者5人の帰国が実現。04年5月には前首相が再度訪朝、蓮池さんらの家族を連れ戻した。

 しかし、具体的成果はそこで途絶している。拉致被害者家族が年々高齢化する中、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」との姿勢を変えず、日朝関係は膠着(こうちゃく)状態。めぐみさんのものとする「遺骨」が別人と判明するなど、北朝鮮側の不誠実な対応が続いている。

 加えて昨年7月、北朝鮮が弾道ミサイル7発を日本海に向けて発射。これに対し、日本は「万景峰号」の入港禁止などの制裁措置を発動。同年10月に実施された核実験では全面輸入禁止措置に踏み切り、現在も継続されている。

 国連安全保障理事会の制裁決議や六カ国協議で孤立状態にあった北朝鮮だが、先の六カ国協議の米朝作業部会で、北朝鮮の核施設を年内に無能力化するための実務対策に両国が合意。さらに米国は、拉致問題を含む日朝関係でも進展がみられた場合、北朝鮮のテロ支援国家指定を年内に解除することを決めるなど、北朝鮮をめぐる国際情勢は動きを早めている。

 そうした状況下、北朝鮮対応で強硬姿勢を貫いてきた安倍晋三首相が突然の辞任を表明した。今後、日本はどう対処し、足踏みが続く拉致問題を突き動かしていくのか。安倍首相からバトンを渡される次期政権は、船出から難しいかじ取りを迫られそうだ。
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by deracine69 | 2007-09-17 23:59 | 政治  

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