官邸を去る特命官僚たち

2007年9月19日 東京新聞

 安倍晋三首相退陣の舞台裏で、政権肝いりの「特命官僚」たちが、ひっそりと首相官邸を後にした。官邸主導の政策運営を演出するうえで「総理直属の実動部隊」と期待されたが、実際には一人の例外を除いて、霞が関のコントロールから離れるのは難しかったようだ。

 霞が関の出身官庁に戻ったのは、経済産業省と防衛省、環境省の課長級三人。それぞれ官邸に置かれた「特命室」や小池百合子元首相補佐官、世耕弘成前首相補佐官付として配置されていた。

 特命官僚は総勢十人。昨年九月の政権発足にあたって、首相官邸が異例の公募を実施して集めた。本来は「出身官庁の意向で動くのではなく、総理のために働く人材」というふれこみだったが、実際には各省庁が、えりすぐりのエリートを送り込んだ。

 内閣改造で首相補佐官が減らされたうえ、霞が関に豊富な人脈をもつ与謝野馨官房長官が就任し、特命官僚に頼らなくても、情報を官邸に集約できる体制が整ったために、体制を縮小したようだ。

 例外は根本匠前首相補佐官付だった高橋洋一内閣参事官。財務省出身だが途中で内閣官房に転籍し、文字通り「親元と縁を切って」官邸入りした。竹中平蔵元総務相の補佐官などを務め、霞が関や永田町では「筋金入りの改革派」として知られている。

 郵政民営化や財政再建をめぐって、竹中氏や中川秀直前自民党幹事長の知恵袋として活躍したが、霞が関の保守本流からは疎まれ、今回、内閣府経済社会総合研究所の客員研究員に来年三月までの任期付きで転出した。

 新天地での活躍を大いに期待したい。 (長谷川幸洋)
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by deracine69 | 2007-09-19 08:00 | 政治  

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