安倍首相:「首相臨時代理」置かずに病室執務

2007年9月18日 21時06分 毎日新聞

 辞任表明後、東京都内の病院に入院したままの安倍晋三首相は、25日の新内閣発足まで「首相臨時代理」を置かずに職務を続ける見通しだ。内閣法には「首相に事故のあるとき」は臨時代理が職務を行うとあるが、与謝野馨官房長官は18日の記者会見で、今回はそれには当たらず、危機管理上の問題もないとの見解を示した。ただ、首相がいるのは病室という「密室」。そこでの職務の様子や判断は一部政治家を通してしか伝わらない。

 内閣法9条は(1)首相に事故のあるとき(2)首相が欠けたとき--は、あらかじめ指定する国務大臣が臨時に首相の職務を行うと規定している。海外出張や病気療養は「事故」に該当するというのが政府見解だ。

 内閣総務官室によると、首相の入院に伴い臨時代理が置かれたのは現行憲法下では2例。このうち、脳こうそくで入院した小渕恵三首相の臨時代理を青木幹雄官房長官が務めたケース(00年4月)では、「就任の経緯が不透明」と批判され、臨時代理の順位を内閣発足時に決める仕組みが導入された。安倍改造内閣の1位は与謝野氏だ。

 病院側によると、首相は今週いっぱいは入院する見通し。にもかかわらず「事故」に当たらない理由を、与謝野氏は会見で「退院するのは明白だから」と説明。「回復が顕著にみられる状況ではないが、判断力に支障が生じることはまったくない」という医師の診断結果も紹介した。

 さらに、病院には首相秘書官が常駐して首相の決済を得ており、「どうしても首相官邸に戻らなければならない危機が起きた場合には、(病院との)距離は5分ぐらい」と、即応態勢に支障がないとの認識も示した。

 今回のケースでの臨時代理未指定について、国際大の信田智人教授(日本政治)は「首相官邸には危機管理監がいて、災害時の細かいシミュレーションはできている。臨時代理がいなくても問題はない」と話す。ただ、舛添要一厚生労働相は18日、記者団に「いつ(病院から)出てくるかは政治的なタイミングの問題でもある。総裁選に影響を与えないという配慮もおそらくなさっていると思う」と、臨時代理設置が政局との絡みで判断されている可能性を指摘した。【西田進一郎】

 ◆首相臨時代理が置かれた例◆

        首相   臨時代理

1980年6月 大平正芳 伊東正義官房長官

2000年4月 小渕恵三 青木幹雄官房長官

※安倍改造内閣の首相臨時代理の順位は(1)与謝野馨官房長官(2)高村正彦防衛相(3)鳩山邦夫法相(4)町村信孝外相(5)伊吹文明文部科学相
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by deracine69 | 2007-09-18 21:06 | 政治  

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