宙に浮く教育再生会議 現場からは「自然消滅を」

'07/9/22 中國新聞

 すべての子どもに規範意識と高い学力を身に付ける機会を保障する―。教育改革を「美しい国」づくりの最重要課題に掲げた安倍晋三首相の辞任表明で、その“実動部隊”だった教育再生会議の存在が宙に浮いている。

 ゆとり教育見直しや競争原理導入など、勇ましかった提言の数々はどうなるのか。次期首相が引き継ぐのかどうかも不透明な中、教育現場からは「これ以上振り回されたくない」と自然消滅を望む声が上がっている。

 「腐ったリンゴは捨てればいい、という発想。排除や脅しでは問題解決にならないことが分かっていない」。京都府の公立高校教員(59)は、いじめ加害者の出席停止や免許更新制導入による指導力不足教員の排除といった再生会議の提言を「現場を知らない人の意見だ」と批判する。

 今年一月、学校週五日制の見直しなど「ゆとり教育」からの転換を鮮明にした再生会議の第一次報告は注目の的に。お株を奪われた文部科学相の諮問機関・中教審からは「素人が好き勝手に論じて迷惑だ」(幹部委員)と恨み節も聞こえた。

 だが年金問題などで内閣支持率が低迷し始めると、会議の提言もトーンダウン。六月発表の第二次報告は「徳育の教科化」を打ち出したが、母乳育児の励行を盛り込んだ「子育て提言」案などは批判を浴び、引っ込めざるを得なくなった。

 「真剣に議論してきたつもりだが、担当室長のヤンキー先生(義家弘介氏)が参院選に出た瞬間、みんなしらけちゃった」。ある再生会議委員は選挙前には既に会議の“内部崩壊”が始まっていたことをうかがわせた。

 追い打ちを掛けるような首相の退陣表明で会議の失速は決定的に。広島県の公立小教員(46)は「現実離れの議論がそのまま政策に反映されるなんて恐ろしい。これを機に少し冷静になれるのでは」と総裁選後の動きに期待している。
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by deracine69 | 2007-09-22 23:59 | 政治  

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