策略情報飛び交う薄汚れた総裁選

9月23日10時0分配信 日刊ゲンダイ

●影の主役 平沼の歯ぎしり

 今回の総裁選、謀略戦の「隠れた主役」といわれているのが復党間近だった平沼赳夫(68)だ。

 郵政造反組の頭目である平沼は、誓約書を出して自民党に復党することを拒み、国民新党にも行かず、無所属を貫き通している。参院選が終わり、8月の内閣改造で旧友の麻生幹事長と与謝野官房長官が実権を握ったことで復党話が一気に進んでいた。今月8日の時点では、与謝野が「郵政問題は決着済み」と強調、麻生も「(復党に)誓約書を取る必要はない」と語り、安倍首相も追認。無条件復党は時間の問題だった。

 ところが、12日の安倍政権の突然の空中分解で事態は一変。復党どころか、「麻生のガン」になってしまったのだ。

「平沼は、自分だけでなく郵政造反の落選組の復党も麻生に打診していた。これに危機感を抱いたのが選挙区の重なる小泉チルドレンですが、それ以上に小泉がカンカンだった。それで“安倍の後継に麻生だけはダメだ”となって、好きでもない福田の支持を打ち出したのです。小泉の動きはなんだかんだ言っても、無派閥議員や中間派に影響を与え、福田への雪崩現象の一翼を担った。それをうまく利用したのが中川前幹事長です。麻生にすれば、“平沼復党”を急がなければよかったという思いでしょうが、後の祭りです。でも逆に言えば、3、4日前までは安倍が政権を放り出すことをまったく知らなかった証しでもあるのです」(マスコミ関係者)

 麻生だけでなく、復党が消えた平沼サイドも、「復党問題を逆利用された」とじだんだを踏んでいるという。安倍辞任の裏には、もっと深い逆クーデターの面も隠されているのかもしれない。

●始まった麻生VS中川泥仕合

「麻生に騙された」――この安倍首相のひと言が総裁選を決定づけたのは有名な話。ところが、きのう(19日)安倍が発言を否定。麻生陣営は「悪いのは中川秀直だ」と反撃に出た。泥仕合が始まった。

「安倍首相が“麻生幹事長に騙された”と悔しがっている」。このセリフが永田町に流れたのは先週12日の安倍退陣表明の直後だった。言いふらしたのは「井上義行秘書官と中川秀直前幹事長」が定説だった。さらに「麻生は2日前に安倍辞任を知っていながら隠していた」という材料も加わり、「麻生クーデター説」が一気に永田町を駆け巡ったのである。これで麻生後継の目は消え、「福田圧勝」の流れになったのだが、言われっぱなしの麻生陣営が反撃に出てきた。

 19日午前、入院中の安倍首相が「騙されたなどとは言っていない。麻生さんに悪いことをした」と語ったというニュースが流れ、麻生自身も「首相の辞意を知っていたのは私だけではない」と発言。

 これに合わせて17日の会見で与謝野官房長官が、安倍の辞意を事前に知っていた人物について「中川秀直」の名を挙げたのである。「自分だって知っていたくせに、勝手にクーデター説を流し、許せん」というわけだ。

「麻生と与謝野はツーカーの関係。8月の内閣改造人事も2人で仕切った。すでに安倍に統治能力がなかったのだから、それも仕方ないことだが、スンナリ麻生政権になったら主導権を握られてしまうことに清和会(町村派)は焦っていた。その延長線上で例の安倍の“麻生に騙された”発言が広められ、福田逆転劇になったのです。結局、権謀術数好きな中川を中心とした清和会の逆プロパガンダに麻生、与謝野はしてやられたわけですが、このままでは2人とも政治生命を失いかねないだけに、中川攻撃に出た。さらにバクロ合戦はエスカレートしていきますよ」(自民党関係者)

 たとえスタートしたところで、福田新政権には薄汚い謀略説が付いて回ることになる。そして“真相”を知る安倍がますます退院しにくくなったことだけは間違いない。
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by deracine69 | 2007-09-23 10:00 | 政治  

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