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福田新総裁が誕生、24日に党3役選任へ

9月23日16時54分配信 ロイター

 [東京 23日 ロイター] 安倍晋三首相(自民党総裁)の辞任表明を受けた自民党総裁選は23日、衆参両院の国会議員と都道府県代表による投票が行われ、福田康夫元官房長官(71)が330票を獲得し、197票の麻生太郎幹事長(67)を破って新総裁に当選した。



福田新総裁が誕生、24日に党3役選任へ_f0013182_21122525.jpg 福田氏は麻生派(16人)を除く同党内の全8派閥から支持を取り付け、国会議員票で麻生氏をリードし、都道府県の票でも麻生氏を引き離した。麻生氏も事前の予想を上回る200票近い票を獲得して善戦した。福田氏は24日に幹事長など党3役を選任し、25日の国会で首相指名を受け、福田内閣を発足させる。

 福田氏は新総裁に当選後、両院議員総会であいさつし「(総裁に当選して)感激している。職責を十分に果たすよう全身全霊かけて励んでいく覚悟」と述べた。福田氏はさらに「自民党は大きな困難に直面している。国民の信頼を回復し、着実に政策を実行する政党に生まれ変わりたい。私はその先頭に立ってやっていく」と述べた。

 麻生氏は、同総会後の会見で、福田康夫新総裁がリードする体制とのかかわり方について「投票の数字を持って、それを核にして反対勢力や抵抗勢力になるつもりはない」とし、「自民党が活力ある開かれた国民政党としてやっていくことが日本のためになる。決まった以上、いっしょに党の再生に微力を尽くしたい」と述べた。

 ただ、今回の総裁選が、早くから多くの派閥の支持を得た福田氏有利で進んだことに対し「福田氏は、官房長官職を外れて以降、発言がなく、何を言うかわからないところがあった。若い自民党議員を初め、(福田氏が)何かを言う前に(新総裁選出が)決まるのはどうか、という常識が働いたのだと思う」と派閥主導の総裁選に苦言を呈すとともに、「次期総選挙で勝つことが新総裁の大きな責任だ。勝てる体制を地方組織を含めて作り上げることを期待している」と注文をつけた。

 総裁選の結果について、山本武彦・早稲田大学政経学部教授はロイターの取材に対し「福田新総裁は、安心・安定・安全を象徴している。今の自民党内のそうした期待を福田氏は示している」と指摘。この先の政権運営では、野党が過半数を握る参院での法案審議が政府・与党にとって障害となるが「日本には妥協の美学がある」とし、福田総裁が妥協を図ることで局面の展開を目指すのではないかとの見方を示した。

 今回の総裁選では、安倍首相の辞任表明直後は、幹事長として党内ナンバー2の麻生氏が次期総裁に最も近いと同党内ではみられていた。

 しかし、福田氏が総裁選への立候補の意思を固めると、安倍政権と距離をおいてきた古賀誠元幹事長の率いる古賀派、山崎拓前副総裁が会長を務める山崎派、谷垣禎一元財務相の谷垣派が支持を表明。立候補の意思を表明していた額賀福志郎財務相の所属する津島派も福田氏支持に傾き、額賀財務相は福田氏支持を言明して、立候補を断念。伊吹派、二階派、高村派も雪崩を打って福田氏支持を打ち出し、国会議員票は、選挙戦の序盤から福田氏優位の構図ができ上がっていた。

 NHKなどの調査によると、投票前に方針が決まっていた47都道府県代表の計141票のうち、65票の麻生氏に対して福田氏が76票を獲得して、過半数を制した。

 総裁選は、無記名投票のため、誰がどの候補に投票したかわからない仕組みだが、地方票を全体の得票から除くと、国会議員票は福田氏が254票、麻生氏が132票となり、派閥の支持の比率に比べると、麻生氏が健闘した。

 福田氏の自民党総裁としての任期は、安倍氏の残りの2009年9月まで。

 福田氏は24日に幹事長など党3役を選任する。党内では、幹事長人事に関心が集まっている。解散・総選挙の時期は福田新総裁の決断次第だが、参院で野党が過半数を握っている現状では、政局がこの先、緊迫化する可能性が高い。解散となれば、幹事長が総選挙の実質的な差配をするため、誰が幹事長になるかは公認候補の選定も含め、衆院議員にとって大きな影響を受ける。

 福田氏は、25日の国会で首相指名選挙に臨む。衆院では首相に指名される見通しだが、参院では野党が過半数を占めており、小沢一郎民主党代表が指名される可能性が高い。憲法では衆院の指名が優越するとされているため、両院協議会での協議を経て、福田氏が首相に指名される見通し。

 福田氏は国会での首相指名後、組閣本部を作り、25日夜までに福田内閣を発足させるとみられる。臨時国会開会中であるため、安倍内閣の主要な閣僚をそのまま引き継ぐ方向になっている。このため、組閣のポイントは、政権の司令塔といわれる官房長官人事に絞られている。新しい自民党幹事長と官房長官の人事によって、福田内閣の方向性が見えてきそうだ。

 福田氏の父、赳夫氏も1976年12月から78年12月まで首相を務め、日本の憲政史上初めて親子二代による首相就任となる。

by deracine69 | 2007-09-23 16:54 | 政治  

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