安倍首相「最後の会見」 面影消え弱々しく 「今さら出てきても」

9月25日8時1分配信 産経新聞

 突然の辞任表明後、入院から11日ぶりに姿を現した安倍晋三首相。ほおはげっそりとやせ、目に力はない。声はかすれて張りがなく、総裁選で圧勝し、自らの政策を熱く語った1年前のはつらつとした姿はなかった。25日の内閣総辞職で官邸を去る。憲法改正の実現を夢見たが、在任365日で政権の幕を下ろす。

 東京・信濃町の慶応大学病院。安倍首相は、午後5時過ぎに、ゆっくりとした足取りで会見場に登場。中央の椅子(いす)に静かに座ると、「どうしても一言、国民のみなさんにおわびを述べさせていただきたい」と低い声で切り出した。

 「一国の総理として辞任の最大の理由を説明しなかった判断をどう考えるか」「臨時代理を置かなかった理由は」。次々と繰り出される質問に、一つずつ言葉を選びながら答えた。病状のため乾燥するのか、唇を何度も舌で湿らせていた。

 主治医らが同席する異例の会見。「点滴と安静で数日で回復されることを期待したが、食欲がなかなか回復しなかった」。安倍首相の体調を説明し、体重が5キロ減ったことも明らかにした。

 そんな安倍首相が唯一語気を強めたのは、質問が麻生太郎前幹事長の「クーデター説」に及んだとき。質問した記者の目をしっかりと見据え、はっきりとした口調で否定した。

 また、総裁選で誰に投票したかとの問いには「去っていく前総裁が誰にと申し上げるべきではない」と無表情のまま答え、無念さをにじませた。

 会見は時間にして20分足らずで終了し、安倍首相は会見場を後にした。

 一方、報道各社のカメラマンが陣取り、ものものしい雰囲気に包まれた病院では、「何が起こったの」と不思議な様子で足を止める見舞客も。

 娘の見舞いで病院を訪れた神奈川県相模原市の無職男性(74)は「一国の首相が顔も見せられないなんて。期待していただけにちょっと残念」と寂しげに話した。病院の男性職員(30)も「最後は病院会見だなんてかわいそう。明らかに疲れていたので、いい休養になったのでは」としながらも「もう終わった人でしょう。今さら出てきてもという感じ」。体調不良を押して会見に挑んだ安倍首相だったが、突然の“辞任劇”の悪印象を覆すことはできなかったようだ。

 報道陣を遠巻きに眺めていた東京都小平市の主婦(74)は「ああいう辞め方をしただけに、早く出てきたかったのだろう。新総裁が決まるまで黙していたのは安倍さんらしい」と1年間の労をねぎらった。
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by deracine69 | 2007-09-25 08:01 | 政治  

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