安倍政権 幕閉じる…識者ら「未熟さ、評価下げた」

9月25日17時10分配信 毎日新聞

f0013182_1726118.jpg 発足からちょうど1年、安倍政権が25日、幕を閉じた。在任中に成し遂げた具体的な「成果」は、教育基本法改正と国民投票法の成立。議論を展開してきた人たちは、複雑な思いで退場する安倍晋三首相を見つめた。



 ■教育基本法

 日本の教育理念を定めた教育基本法。47年に制定されて以来一度も見直されなかったが、06年12月、改正された。前文には「公共の精神」をうたい、「愛国心」も掲げた。10年ごとの教員免許更新を盛り込んだ教員免許法など関連3法も成立した。

 「小泉(純一郎)前首相に比べると素直で、個人的な感情としては嫌いになり切れなかった」と安倍首相を評するのは、一連の教育改革が格差拡大につながると警鐘を鳴らしてきたジャーナリストの斎藤貴男氏だ。「課長くらいの立場だったら、いい人だったんだろうなと思う。福田康夫新首相で多少ブレーキがかかるだろうから、その間に流れを変えていきたい」と話す。

 藤田英典・国際基督教大教授(教育社会学)は「小泉・安倍路線によって、学校選択制などの成果主義・市場原理主義が教育の現場にも持ち込まれた。愛国心教育などの復古主義・国家主義的な考えが鮮明になった」とする。その上で、「地方では既に『改革』の動きが始まっているが、旗振りをするトップが交代することで抑止力が働く可能性がある」と話す。

 ■国民投票法

 日本国憲法の改正手続きを定めた国民投票法。今年5月、与党の単独採決で成立した。

 同法に反対した市民グループ「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健事務局次長は「復古主義的な性格の強い安倍さんの改憲論は、かえって自民党内の心配を広げたのではないか。国民投票法の成立で改憲論議は進んだように見えるが、強行採決で自民、公明と民主との協調路線が破綻(はたん)し、改憲の実現はむしろ遠のいた」と指摘する。

 田北康成・フェリス女学院大非常勤講師(マスコミ論)は「国民投票法は、メディア規制条項を盛り込む一方、最低投票率規定がない。そうした違和感の一部は参院選の結果に表れていると思う」と話す。

 ジャーナリストの桜井よしこさんは「国民投票法や公務員制度改革法の成立は、『官僚主導の政治を変えたい』という決意の固さで、これまでできなかった戦後体制を変える第一歩を踏み出したと言える」と評価。「ただ『最悪のタイミング』で辞任表明したことに技術的な未熟さがあった。その結果、プラスになるはずの評価までも下げてしまった」と指摘する。【日下部聡、五味香織、臺宏士】
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by deracine69 | 2007-09-25 17:10 | 政治  

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