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上海ガニ高騰? 本場の陽澄湖、養殖面積を縮小へ

2007年09月28日06時01分 朝日新聞

 中国江蘇省の蘇州市は上海ガニの本場、陽澄湖の養殖面積を来年から大幅に縮小することを決めた。今春、隣の太湖でアオコが異常発生したことを受けた水質改善策の一環。上海ガニの象徴的存在の陽澄湖産の高騰は必至だ。

 上海ガニは中国各地に生息するが、陽澄湖産は脂がのって美味とされ、日本にも輸出される。10~12月ごろが旬。小売価格は一般に1キロ70元(約1100円)前後だが、陽澄湖産は約350元と5倍。養殖削減で来年はさらに2割近く値上がりするとみられている。

 蘇州市陽澄湖大閘蟹行業協会によると、養殖面積は01年に約9000ヘクタールあったが、過剰養殖による小型化などで品質が落ちたため、すでに約5000ヘクタールに削減。来年は2000ヘクタールまで減らし、最盛期の5分の1となる。漁獲量も今年の2200トンから千数百トンに減る見通しだ。

 太湖では5月にアオコが異常発生、近くの無錫市の飲料水が悪臭で長期間飲めなくなり、温家宝(ウェン・チアパオ)首相は「太湖の水質汚染を高度に重視する」と原因究明と改善を指示。主な原因は工業廃水や生活排水などとされるが、養殖場で大量にまかれる餌などによる富栄養化や、養殖場が湖水の流動性を妨げることによる水質悪化なども指摘された。陽澄湖ではアオコの発生はないが、太湖と同水系のため改善対象とされた。

 養殖で生計を立てる湖畔の清水村の村長は「村民の収入は2割は減る。民宿や家畜の飼育などに力を入れないと」と危機感を強める。蘇州市政府は養殖業者に補助金を出し、転職も促す方針だ。蘇州市陽澄湖大閘蟹行業協会の楊維竜会長は「養殖密度が減れば個体が大きくなるなど品質は上がる。収穫減を価格向上で補いたい」と話す。

by deracine69 | 2007-09-28 06:01 | アジア・大洋州  

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