「アンチ安倍」政策に徹する福田康夫=田原総一朗(ジャーナリスト)

2007年10月3日 リベラルタイム

 福田康夫総理が誕生したが、いちばんかわいそうだったのが、前総理の安倍晋三さんで、二番目にかわいそうだったのが、麻生太郎自民党前幹事長だった。

 麻生さんの総理を目指す野心は、自民党議員の多くに察知され、麻生さんは柔道でいう空気投げをくらってしまった。自民党という政党は面白い集団だと思うが、総裁選挙に福田さんが勝ちそうだとなると、あっという間に勝ち馬に乗る。そして、いつものように大差で勝者が決まることになる。

 安倍前総裁誕生の時もそうだった。

 今回も、約半日で自民党議員の支持は福田さんに殺到した。

 自民党議員というのはイデオロギー、政策で総裁を選出するのではなく、権力に近づきたいという思いで総裁選挙に臨んでいる。いかに勝ち馬に乗りたいかがよくわかる。少しでも権力者の傍にいたい人の集団である。

 さて、福田総理はどんな政策を打ち出すか。

 徹底的に「アンチ安倍」路線を歩むと僕は考えている。テロ対策特別措置法の延長や関連の新法の成立を、福田さんは目指さないかも知れない。

 外交は様変わりをするだろう。

 一つは小池百合子氏が防衛大臣時代に訪米し、日米豪で防衛戦略を組み、中国を阻害した政策を提案したところ、ライス米国務長官は「中国を忘れていませんか」といった。 こうした方針が転換されるだろう。

 福田さんのお父さんである福田赳夫元総理は、いかに近隣各国と友好関係を築くかに心を砕いたが、そうした路線を福田さんもとるはずだ。

 その一環として、日本の北朝鮮戦略も転換されるに違いない。アメリカは北朝鮮に対して明らかに政策転換している。強硬政策から接近政策である。「テロ支援国家」解除を進めているほどだ。つまり、北朝鮮とアメリカは国交正常化に向かいつつある。

 ところが、日本は頑強に北朝鮮敵視政策を続けてきた。それを転換し、アメリカと同様の柔軟政策をとるだろう。 決定的な、アンチ安倍政策となる。

 また、国内政策については消費税、年金問題についても民主党の意向を受け入れるだろう。

 民主党との協調路線をとるのである。

 野党との協調路線や反安倍政策を行うことによって、窮するのは小沢一郎代表の民主党である。

 民主党は自民党に政策協調されれば、解散総選挙に追い込めなくなる。

 つまり、自民党と戦えなくなる。そうした戦略によって、福田さんはできるだけ解散総選挙を先延ばしすることになる。あわよくば二〇〇八年七月の北海道洞爺湖サミットまで引き延ばしたいという戦略である。そうなれば、民主党の状況は最悪である。

 今後の見ものは小沢対福田の政策的駆け引きだ。

 リベラルタイム11月号「this Month!」
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by deracine69 | 2007-10-03 12:00 | 政治  

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