午後7時首相『ただいま』 早めの帰宅…前首相の体調悪化、教訓?
2007年10月8日 東京新聞福田康夫首相の執務スタイルに特徴が表れてきた。過密日程が指摘され、ついには体調不良で辞任に至った安倍晋三前首相と比べ、早めの帰宅が目立つ。先週の夜の会合といえば、週末の五日に秘書官と一度食事しただけ。それ以外は、すべて午後七時前後には東京・野沢の私邸にこもってしまった。戦後生まれの安倍前首相に対し、福田首相はひと回り以上も年齢が上だけに、体調管理への気遣いもあるとみられる。 (荘加卓嗣)
最も早くて午後六時三十八分、五日を除けば遅くても午後七時十五分。これが福田首相の先週の帰宅時間だ。
七日は、連休中とあってか都内のホテルでの会合後、帰宅は午後十一時を回ったが、平日なら夕方、官邸で恒例の「ぶら下がり」取材を終えると、そのまま家路につくパターンが一般的だ。
安倍前首相は夕方のぶら下がり後、打ち合わせなどのため執務室に戻ることが大半だった。就任当初の首相動静を比べると、安倍前首相は午後七時前に帰宅したことは一度もなかった。このため、官邸での一日の平均執務時間も、就任後十日間で福田首相の方が四十分ほど短くなっている。
昨年の同じ時期に就任した安倍前首相は、十日余りで華々しく中国、韓国へ初の外遊に出かけた。福田首相は、ねじれ国会で民主党など野党から激しい“口撃”にさらされながら、ひたすら平身低頭の日々が続く。こうした厳しさが、余計に家路を急がせているのかもしれない。
「まだ一日くらいの感じ。自由がなくなった。時間の経過が分からない。そういう感じ」
就任一週間となった今月二日、福田首相は感想を記者団にこう語った。
周辺によると、首相は今、「(政治情勢)全体を見渡し、把握しようとしている最中」という。夜の会合も「国会中であるし、今はまだ入れられない」状態。早めの帰宅とはいっても、首相は車に多くの資料を積み込んで持ち帰っている。
私邸では、突然の就任による準備不足を取り戻そうと、国会論戦や国政課題に思いをめぐらせているに違いない。
by deracine69 | 2007-10-08 08:00 | 政治