行列ができなかった太田府政 5日任期満了

2月4日22時42分配信 産経新聞

 2期8年にわたり大阪府知事を務めた太田房江知事(56)は5日に任期満了を迎える。「政治とカネ」の問題で3選出馬を断念したが、平成12年の初当選時には、全国初の女性知事として、大きな期待を集めた。関空第2滑走路オープンや世界最大規模のシャープ新工場…。経済政策を中心に「おおむね合格点」と評価する声が多いが、「府政改革は中途半端」とされ、何より、リーダーシップを発揮できなかったとの批判の声が聞かれた。

 「全身全霊を傾けて努力していきたい」。今から8年前の平成12年2月6日夜、初当選を果たした太田知事は大阪市内の選挙事務所で決意を述べた。故横山ノック知事がセクハラ問題で辞職したため出直し選挙となった府知事選。「全国初の女性知事」の誕生の瞬間、支持者らは「大阪は変わる」と期待をかけた。

 女性知事としてタレント並みの報道合戦が繰り広げられる一方、通産官僚出身という経歴を生かし産業施策に力を入れた。前知事の横山ノック氏がレールを敷いた財政再建にも取り組んだ。

 産業施策では、特に企業誘致に成果をあげ、大阪湾沿岸部に次々に大企業の工場・研究施設の誘致に成功。バイオ産業の拠点「彩都」で武田薬品工業の誘致には失敗したものの、昨年7月末、堺市に世界最大規模のシャープ液晶テレビ向けパネル工場の立地が決定。2日後には念願の関空第2滑走路の運用も始まった。

 一方、財政改革では大規模開発を抑制し、府職員のボーナスカットを断行。新規採用抑制で職員数の年200~400人減を実現した。公約だった「ひったくり発生件数の半減」や「中小企業融資1兆円」も達成した。

 しかし、「改革」は中途半端に終わってしまったという声も強い。大規模開発をしないといいながら、府が開発した住宅団地・箕面森町(箕面市)に750億円の投入を決定。シャープの誘致のために、補助金を30億円から150億円まで引き上げ、その限度額の補助も約束した。また小学1、2年生の35人学級の実現で教員の人件費がふくれあがった。

 また、女性知事としては大相撲の知事賞の授受で女性が土俵入りできないことで相撲協会にかみついたが、いつの間にか話題にしなくなった。「女性の関心が低く、票にならないとみると、手を引いた」。知事周辺からはそんな声が漏れた。

 結局、「政治とカネの問題」で太田知事の3選出馬の道を絶たれた。東京の政治団体が親族宅を事務所とし、賃料を支払い、府と受注実績があった中小企業経営者らとの懇談会で多額の講師謝礼を受け取っていたことが昨年10月末から次々に表面化。過去の選挙で支援した自民、公明、民主が不支持とした。

 この一連の流れを太田氏をよく知る府幹部は「『政治とカネ』はあくまできっかけ。それに至るまでたまりにたまっていたものが、これを機に噴出した」と解説する。

 太田知事は知事室には近づかず、別棟の知事公館にこもり、職員との連絡もメモですました。府議会議員とのつきあいも必要最小限で、府行事への“ドタキャン”も続いた。登庁が遅いために、午前中の行事の出席日程は極力組まなかったという。また週末になると、頻繁に東京に出かけ、中央政界に顔を出した。心は大阪になく、国政をねらっているとの観測が絶えなかった。

 「裸の王様」。2期目の最後には職員や議員はそう口々に揶揄(やゆ)する状態だったという。
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by deracine69 | 2008-02-04 22:42 | 行政・公務員  

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