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<新銀行東京>大前研一氏に聞く 「成り立たぬ」に耳貸さず

3月21日15時2分配信 毎日新聞

 経営危機に陥った「新銀行東京」の原型となる銀行設立構想を石原慎太郎・東京都知事に提案した経営コンサルタントの大前研一氏が毎日新聞の取材に応じ「やってはいけないことに手を付けた石原氏の責任は重い」と指摘した。当初、都の膨大な運用資金をメーンバンクの破綻から守る目的で準備を始めたが、知事の一声で「生業(なりわい)として成り立たない」(大前氏)中小・ベンチャー企業支援に舵(かじ)を切ったという。

 大前氏は01年8月、会食の席で初めて知事に銀行設立構想を示した。長く不良債権処理に苦しむ銀行の状況を踏まえ「都の運用資金は日によっては9兆円にもなる。仮に都のメーンバンクが破綻(はたん)した場合、ペイオフで1000万円しか担保されない状況を解決すべきだ」と提言した。

 事業モデルは「独自店舗のないバーチャル銀行として決済業務だけを行う」「預金や手数料などで得た資金は、地盤強化など基盤整備に充てる」--など。知事が関心を示し、当時都の出納長だった大塚俊郎氏(元副知事、現新銀行東京取締役会議長)の下、職員6~7人からなるプロジェクトチームが誕生した。大前氏も無償で指導に当たり、職員も賛同して熱心に研究したという。

 しかし、半年後、最終報告に石原知事から出た言葉は「こういうんじゃないんだよな、僕がやりたいのは」。中小・ベンチャー企業支援構想を突然明かされたという。

 ベンチャー起業家育成の苦労も知る大前氏は「それを生業とする銀行は成り立たない」と説得したが、知事は「都市銀行にできないことをやりたいんだよ」と耳を貸さなかった。大前氏は、すぐに身を引いたという。

 「その後のことは分かりません」と大前氏。結果的にビジネスモデルの失敗で多くの不良債権を抱え、旧経営陣に全責任を押し付けて、400億円もの追加出資案を通そうとする石原知事の姿勢を強く批判する。「卑怯(ひきょう)だよね。やるという意思決定をした責任は一人、石原知事にある。あのとき止められる人間は都にもいなかった」。【市川明代】

by deracine69 | 2008-03-21 15:02 | 行政・公務員  

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