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新銀行東京:中小企業向け「無担保・無保証」融資を廃止

毎日新聞 2008年3月15日 2時30分

 東京都に400億円の追加出資を要請した「新銀行東京」(千代田区)が、05年4月の開業当初から看板商品に据える原則無担保・無保証の中小企業融資「ポートフォリオ」を、12年3月期までの再建計画の期間中に事実上廃止することが分かった。無担保・無保証融資が不良債権を急増させたためで、担保・保証付きの堅実な融資を一層進める。中小企業支援を旗印とした開業の理念からまた一つ遠ざかる格好だ。

 ポートフォリオは、中小企業の事業資金を原則無担保・無保証で供給する融資方式。都が04年2月に作成した銀行の業務運営指針「マスタープラン」で主力商品に位置づけ、開業3年後に当たる08年3月期には融資残高約2800億円を目指していた。

 しかし、財務諸表の分析に頼った審査で融資先の焦げ付きが多発したため、新銀行は07年6月、慎重な融資方針に転換。ポートフォリオについては当初、返済期間を最長5年、融資上限額5000万円と設定していたが、最長3年、上限額2000万円にそれぞれ改めた。

 この変更で、ポートフォリオの融資残高は、07年3月期の753億円から同年9月中間決算では533億円まで減少。新銀行はさらに融資額を減らして、担保・保証付き融資に重点を移し、再建計画に基づく堅実な貸し出し路線を徹底しポートフォリオの融資残高を12年3月期までにゼロにする。しかし、一部優良な融資先には、個別に無担保・無保証の融資も残す。

 新銀行を巡っては、担保や保証にこだわらないこうしたずさんな融資を進めた結果、焦げ付きが今年1月末時点で約285億円に上った。さらに、12年3月期までの新たな処理費用に計316億円かかると見込み、開業から7年間の不良債権の累計は601億円に広がる見通しだ。【木村健二】

by deracine69 | 2008-03-15 02:30 | 行政・公務員  

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