小泉センセーション?政界再編加速か 麻生-平沼ライン牽制も

4月16日20時18分配信 産経新聞

 ねじれ国会の混迷により政界の閉塞(へいそく)感が強まる中、「政界の勝負師」といわれる小泉純一郎元首相が動き出した。「なんとか風」をあおってみたり、民主党幹部と会食したり-と連日のように話題を振りまくが、その真意はどこにあるのか。政界再編含みの動きに「血が騒いだ」との見方がもっぱらだが、「ポスト福田」の最有力候補である自民党の麻生太郎前幹事長への牽制(けんせい)とみる向きもある。小泉氏のカリスマ性は今も衰えていないだけに何かの拍子に「小泉センセーション」を巻き起こす可能性は否定できない。(石橋文登)

 「政界はいつ敵が味方になるか分からない。私も抵抗勢力に悩まされたが、郵政民営化では抵抗勢力がいたから奇跡が実現できた。ねじれ現象もピンチはチャンス。民主党と一緒にやろうと考えなきゃ進まない。民主党の小沢一郎代表たちだって基本的にそんなに違うはずがない」

 16日夕、大阪市で開かれた近藤三津枝衆院議員のパーティー。突如照明が消えた後、プレスリーの名曲「アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラブ・ユー」をバックに会場に現れた小泉氏はジェスチャーを交えながら自説をまくし立てた。

 小泉氏は平成18年秋に首相退任後、表だった活動は控えてきたが、今年に入り講演活動などを再開。夜の会合にも頻繁に顔を出すようになった。

 3月26日には自民党の武部勤元幹事長、二階俊博総務会長らと会食し、民主党の小沢一郎代表への当てつけの意味を込めて「不在其位 不謀其政」(その位にあらざればその政を謀らず)と書をしたためた。

 4月7日には横浜市内のパーティーで、「そろそろ『なんとか風』が吹き出した気がする」と発言し、早期解散をにおわせたかと思うと、10日には山崎拓元自民党副総裁らの会合で「なんとかとは『変革の風』のことだ」と釈明した。9日には、前原誠司前民主党代表、小池百合子元防衛相ら十数人と会食。前原、小池両氏を名指しして「ここに首相候補が2人もいる。おもしろいことになるかもしれない」とぶち上げた。

 小泉氏は13年の首相就任当初、「民主党改革派と手を組み、郵政民営化を実現し、旧経世会(現津島派)をぶっつぶそうと画策していた」(閣僚経験者)といわれる。17年秋にも前原氏に大連立を持ちかけた“前科”もあるだけに、与野党は「ついに小泉氏が政界再編に動き出した」と大騒ぎとなった。

 一連の動きにどんな計算があったのか。自民党では「何か思惑があるわけではなく、周りの反応を見て楽しんでいるだけだ」(党幹部)と冷めた見方が強い。小泉氏も3月末、ある会合で「最近いろんな人に飲みに誘われるけど、おれが何か話すとすべて『政局』に結びつけられちゃうんだ。おれはみんなが思っているほど変人じゃないんだけどな…」とボヤいてみせた。

 だが、小泉氏と旧交のある派閥領袖級は断言する。

 「小泉は政局のにおいをかぎとる天才だ。政局が予想より早く訪れることを察知したんだろう。自分が主導権を握ることには難色を示しているようだけどな…」

 確かに首相、小沢氏ともに求心力を失う中、自民、民主両党の超党派活動は花盛りだ。野田佳彦元民主党国対委員長らの「せんたく議連」、加藤紘一元自民党幹事長の「ラーの会」(旧ビビンバの会)、山崎氏の「朝鮮半島問題研究会」などが相次いで設立された。環境や外交などテーマはさまざまだが、ある自民中堅は「もし出合い頭解散になったとき、錦の御旗を掲げるための保険だ」と断ずる。

 政界再編の流れは、大きく分けると加藤氏らが掲げる「リベラル勢力の再結集」、平沼氏らが目指す「保守勢力の再結集」という2つに収斂される。

 小泉氏が神経をとがらせているのは後者だといわれる。麻生氏は安倍晋三前首相、中川昭一元政調会長ら保守勢力との連携を強めており、もし政権を握れば平沼新党と連立を組む公算が大きい。平沼氏は郵政造反組のリーダー格であり、麻生氏も郵政解散には激しく抵抗した。もしこの連立が実現すれば「郵政民営化をはじめ構造改革路線をことごとく否定されかねない」というわけだ。

 小泉氏は20日、沖縄・宮古島で「全日本トライアスロン大会」のスターターを務める。2月にバイオエタノール施設視察に訪れたことがきっかけのようだが、小泉氏が鳴らす号砲は「政界トライアスロン」の幕開けを告げるかもしれない。
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by deracine69 | 2008-04-16 20:18 | 政治  

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