<道路特定財源>民主党の方針転換に与党も疑心暗鬼

5月8日21時2分配信 毎日新聞

 道路特定財源を10年間維持する道路整備財源特例法改正案の審議を巡り、民主党は参院で採決する方針に転じた。民主党の突然の方針転換に、与党には疑心暗鬼も広がる。その中で参院の与野党が採決に同意した背景には、「参院無用論」につながりかねないことへの危機感が共通するが、与野党それぞれの事情ものぞく。【田中成之、山田夢留】

 政府・与党は改正案について、参院で採決が行われなくても憲法の「みなし否決」を適用し、13日に衆院で再可決する方針だった。民主党が「みなし否決」回避に転じた背景には、後期高齢者医療制度問題を中心に攻勢をかけるため首相問責決議案提出を先送りした国会戦術の転換がある。「審議拒否」でなく、「出席して反対」の姿勢を取ることで、首相を追及する構えだ。

 鳩山由紀夫幹事長は8日、河野洋平衆院議長を訪ね「実力行使に及んで行き過ぎた行為があった」と、4月30日の改正租税特別措置法再可決の際の本会議場入場妨害行為を謝罪した。事実上の「撃ち方やめ」宣言だ。

 採決に転じた理由について、民主党の輿石東参院議員会長は8日の会見で「参院で否決されたものを衆院で再可決するのが当たり前になると、参院は要らないことになる」と説明。また、菅直人代表代行は会見で「(福田康夫首相が表明した一般財源化方針と)今回の法案がどういう整合性があるか、首相の口から聞きたい」と強調した。

 ただ、それだけではない。民主党の国対幹部は「問責決議案を提出しない以上、欠席や議長入場阻止のようなことを繰り返すのは国民受けしない」と、世論にらみの方針転換であることを明かした。

 一方、自民党内には、民主党との採決合意に消極的な声も強かった。民主党が採決に応じる条件として、9日の参院財政金融委、国土交通委の連合審査会で福田首相の出席を求めてきたからだ。参院自民党幹部によると、首相出席について執行部は「道路特定財源を09年度から一般財源化する首相方針と、10年間維持する特例法改正案の矛盾点を追及される」と後ろ向きだったという。ある国対幹部は「何も野党の提案に乗らなくてもいい」と語っていた。

 しかし、参院側には「今度みなし否決を許したら、参院無用論に直結する」(参院自民党幹部)との思いが強く、民主党の条件をのんで首相の出席を政府に求め、押し切った。

 ただ、政府・与党側にも思惑はある。参院公明党幹部は「首相にとっても、衆院再可決直前まで野党側に説明の努力をした姿勢をアピールできる。だからこそ出席に応じたのではないか」と語る。
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by deracine69 | 2008-05-08 21:02 | 政治  

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