町村派 栄華に陰り 政権求心力衰え、確執は広がる

5月20日8時1分配信 産経新聞

 福田康夫首相を含めて自民党総裁が4代連続で輩出している町村派(清和政策研究会、86人)が19日夕、東京・グランドプリンスホテル赤坂で政治資金パーティーを開いた。都内最大級の宴会場は約5000人であふれ、権勢を見せつけたが、かつての高揚感はなかった。福田政権の求心力は急速に衰えており、派内では町村信孝官房長官、中川秀直元幹事長らの確執が広がる。最大派閥の栄華にも「陰り」が着実に忍び寄っているようだ。

 パーティーは身動きできないほど盛況で、別フロアに特設された3つの別会場も大入り満員となった。

 伊吹文明幹事長は「4代続けて首相を出すとこれほどの人が集まるのか」と驚き、古賀誠選対委員長は「清和研は自民党史にかつてない金字塔を打ち立てた」と賛辞を贈った。「ポスト福田」をうかがう麻生太郎前幹事長も圧倒されたのか、「結党以来の危機を克服するため一緒に頑張っていくことをお誓いしたい」と“忠誠”を示した。

 町村派は昨年9月の福田内閣発足を機に、町村官房長官、中川元幹事長、谷川秀善両院議員総会長の3人の代表世話人制に移行したが、実権は中川氏が掌握。最高顧問に退いた森喜朗元首相とともに「森-中川体制」となった。

 中川氏は、木村拓哉さん主演の政治ドラマ『CHANGE』(フジテレビ)を例に出し、「今まで日本のドラマで政治は悪役だったが、初めてヒーローとして描かれた。『正直』こそが政治の原点だ。われわれ清和研もヒーロー、ヒロインをこれからも誕生させたい」とあいさつし、最大派閥の「数の強み」を強調。他派閥の「ポスト福田」の動きを牽制(けんせい)した。

 故福田赳夫元首相の「清和会」を源流とする町村派は、反主流派として長く悲哀の歴史を歩んできたが、平成12年の森氏の首相就任後、形勢は逆転。小泉、安倍、福田-の3政権を打ち立て、森氏は故金丸信元副総裁に次ぐ「キングメーカー」として君臨してきた。

 しかし、「鉄の結束」を誇った町村派にもほころびが見え始めた。

 党人派の中川氏と、官僚気質の町村氏はソリが合わず、主導権争いが激化。森氏は「もう自分たちが次の総裁をやるなんて思ってはいけない。派内の仲間をどう支えていくか一緒に考えるべきだ」とたしなめたが、対立は深まる一方だ。

 加えて派内には小池百合子元防衛相を次期総裁選に担ぐ動きもある。3月に派閥復帰した安倍氏は麻生氏との盟友関係をますます深めており、「次期総裁選になれば町村派は空中分解するかもしれない」(中堅)との声も上がる。

 伊吹氏があいさつで「福田首相は苦しい中で一生懸命誠実にやっておられる。清和研のみなさんも一糸乱れず福田首相を支えていただきたい」と付け加えたのは、町村派への嫌みとも受け取れる。

 森氏は「日本の繁栄と、国際社会の平和をお祈りする」とにこやかに乾杯の音頭を取ったが、その胸中はいかに…。
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by deracine69 | 2008-05-20 08:01 | 政治  

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